算数テストはミスとの闘いである。
算数は教科の内容そのものが、細かい手続きの連続である。文章問題一つとっても、数字を読み間違えない。計算のまちがいをしない、単位を書き忘れない、などなどいくつもの手続きを経て、答えにたどり着く。
その途中の一か所でもミスがあれば正答にはならない。それは、一か所で跳べなかったら失格になるハードル走のようなものである。(実際のハードル走は、失格にはならない。)
だから日頃の授業でも、ていねいさや確実さを常に求めていくように進めていくことになる。その上でのテスト対策である。
筆算の学習のテストの場合、文章題の解答欄は紙面上の都合上せまくなっている。筆算の学習でありながら、筆算を書くスペースがとても小さい。
日頃からノートには大きくゆったりと書くように指導してきているのに、テストになって小さく書いていては、ミスを誘うだけである。
私はノートをばらばらに切り離したものを1枚ずつ渡していた。筆算は、それに書いて残しておくようにし、テストの提出時に一緒に出させていた。
これなら、日ごろの授業と同じように書くことができる。子どもが使っているノートと同じノートを教師が自分で買うことになるのだが、その程度の費用で子どものミスが減るのなら、と考えて実行してきた。
実感としては、これで平均点5点から10点(つまり一人当たり一問から二問程度)のミス防止効果はあると思う。
白紙の紙を渡すと、位取りがずれる。そもそも日ごろの授業からマスのノートを使い位取りに気をつけさせていたのだから、いきなり白紙の紙を渡したら苦手な子どもほど、位取りがぐちゃぐちゃになりミスを誘う。
「そうした中でも結果を出せるかどうかを試すのがテストではないのか。」という人もいるだろう。
テストを合否の判断材料と考える教師は、そう思うかもしれない。
(参照「テストに対する教師のメンタルブロック」)
子どもたちにしてみれば、つい何日か前に初めて学んだことなのである。私は、10歳の子どもがわずか10時間程度で割り算の筆算ができるようになることの方が驚きだと思っている。
そうした不安定な定着の中でのテストである。
それも、日ごろはていねいに書くように指導しているのであれば、同じ条件を設定する方が本筋だとも考えている。
テストの指導ラインナップ
市販テストの点数を上げる
テストに対する教師のメンタルブロック
漢字のテストの目的は何だったのか
小学生のテストは教材そのものである
テストはまず問題文を読ませる
テストの解き方・最低限の知識
テスト実施方法
テスト採点方法
テスト保管方法
テストで名前と文字の指導
国語のテストの解き方1 見つける
国語のテストの解き方2 読む習慣
国語のテストの解き方3 問いに対応
国語のテストの解き方4 言語の問題
社会のテストの解き方
算数のテストの解き方1 ミスとの闘いに勝つ
算数のテストの解き方2 過程を書かせる
算数のテストの解き方3 見直しの仕方を教える
算数のテストの解き方4 裏面は授業の反映
理科のテストの解き方
テストの平均点 数字から子どもを見る方法