国語の教科書に出てくる教材文(物語や説明文)は、当該学年の子どもたちには理解しやすいような内容になっている。
それは、国語という教科が言葉を扱う教科であるためだ。教材を通して、言葉について学ぶのだから、内容そのものはすぐに理解できるようにしておかねばならない。
そこが社会科の内容とは大きく違うところである。社会科では教科書に書かれていることそのものが、学習内容なのだから難しく感じるのは当然である。
だから、物語にしても説明文にしても、初読でおよその意味をつかむことができる。
また、国語のテストのほとんどの問題は、「書いてあることから探す」問題である。
テスト用紙の上段に教材文が示されており、その中から答えに相当する部分を見つけるという作業だけである。
覚えていないとできないような問題はない。最近は、自分の意見を書かせるような記述式も少し入っているようだが、まだ少ない。(少ないままでいい。)
だから、実は国語のテストは、単元の学習をしていなくてもやろうと思えばできる。
当該学年が読むには比較的簡単な文章があり、そこの中から答えを「探す」だけである。学んでなければできないようなことはほとんどない。
そもそも書いてある内容そのものが分からなければ、行間を読もうとか、構成を理解しようなどできるわけがないのである。
率直に言えば、国語のテストは、授業との因果関係はほとんどない。
いい授業をしたから点数が上がるとか、その逆はない。
これは社会科テストの「資料活用」の部分と同じである。(参照)
私はこれを「ウオーリーを探せ」と同じ、だと説明していた。
答えは必ず文章の中にある。分からないのではなく、見つからないだけであると。
にもかかわらず、国語のテストの点数が上がらないと嘆く教師は多い。
それは授業の良しあしではなく、テストの解き方の指導の問題である。
理由は大きく2つある。
一つは、子どもたちが問題文を読んでいないこと。
もう一つは、答え方が間違っているということである。 (続く)
テストの指導ラインナップ
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テストの解き方・最低限の知識
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