終了したテストは、子どもたちに返却した後、予め作っておいた「テスト袋」に入れて教室で保管しておいた。
すぐに家庭には持って帰らせていない。
返却のたびに持って帰らせると、保護者が結果をすぐに見るという点ではいいかもしれない。しかし、それ以外のメリットはほとんどない。
まず、保護者に見せない子どもも一定数いる。机の中、ランドセルの中にぐちゃぐちゃの状態で入ったままになっている。あるいは、持って帰っても見せずにしまい込んでいることもある。渡すことを忘れている場合もある。
保護者にしてみれば、いつどんなテストが実施されているのかは、よく分からない。
我が子が持って帰ってきたものが全てなのかどうかも把握できない。
そして、保護者によっては管理することもあるだろうが、中にはその場で「ごみ箱行き」ということもゼロではない。
テストは、個人用の袋を用意し、それに終了のたびに入れさせて管理していた。
年度初めの1枚目のテスト後に、半分に折ったテストが入るくらいの袋を配る。
同じく、その袋に貼るためのテストの一覧表も渡す。一覧表には、学期に実施する各教科全てのテストの名前がリストアップされ、その横に実施日と点数が記入できる欄がある。
1枚目のテストを返却したら、チェックシートを使ってやりなおし、テスト袋の中にいれる。テストを実施した日付と、自分の点数も記入する。
そこまで完了したら、袋ごと回収し、教師が保管しておく。
テスト返却のたびに、この袋も配り、テストを入れさせ日付と点数を記入させ、また回収し、保管しておく。
一か月経ったら、それまでに実施したテストが入った袋ごと家庭に持って帰らせる。
まとめて保護者に見てもらうためである。そして、確認のサインをもらい、再びテストを入れたまま、学校に持ってくる。
次に保護者に見せるのは一か月後である。それを毎月行い、学期末、テストでパンパンになったその袋を子どもに返す。
一覧表には全てのテストの点数が記入され、今学期の取り組みが一目でわかる。テストそのものも中に入っている。
子どもたちも自分の取り組みを振り返ることができる。保護者にはこのシステムを行うことを4月の懇談会や学級通信で紹介しておく。
一月ごとに渡すことに反対されたことは一度もない。むしろ、感謝されることの方が多かった。
月末返却のほかに、参観日や懇談会のたびに見られるようにしていたし、仮にすぐに返却してほしいという要望があれば、その子どもだけ毎回テスト袋を持って帰らせればいいと思っていた。(その要望は一軒もでなかったが。)
もとは、学期末のまとめテストを行う前に、子どもたちの復習の道具としてテストを遣おうと思って始めたことだった。
これまでに取り組んだテストを見返せば、どんな問題が出て、自分がどこを間違てきたのかが一目瞭然だからだ。
しかし、この方法はむしろ保護者に好評だった。
テストを一元的に管理することで、子どもたちも自分の学習の振り返りができていたようである。結果を出そうというモチベーションも高くなっていたように見受けられた。
月に一回は家庭に持ち帰らせるので、教師も実施忘れなど予防できる。5月は1枚も実施していないというわけにはいかないからだ。
欠席の子どもへの対応も意識できるようになる。
子どもにも保護者にも、そして教師にも便利な方法である。
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