テストで答えを教えるのではない。解き方を教える。
それも採点後に教えるのではない。(そんなことをしても、子どもには身につかない。)テストをしているときに教えるのだ。
テストを解く大原則は「問いに正対する」。それだけである。
尋ねられている内容を正確に理解し、適切に答える。
余談であるが、学習指導要領の国語科の目標にこう示してある。
「言語による見方・考え方を働かせ、言語活動を通して、国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次の通り育成することを目指す。(以下略)」
テストも子どもにとって学びの道具であるとは上記の文からも分かる。
書き言葉によって問われたことを正確に理解させ、書き言葉によって適切に答えていく、これが小学校における「文字言語」の指導であり、その有効な道具がテストである。
毎回のテスト1枚につき、1つでいい。解き方を教えていくのである。それだけで、子どもたちのテストの答えは正確さを増し、点数が結果的に上がってくる。
まず問題文を読む。
はっきり言う。子どもたちはテストで問題文を読んでいない。眺めてはいる。ざっと目を通して、何となく答えている子どもが大半である。
どの教科のテストでも同じである。
ちなみに、どの設問でもいいから音読をさせてみるといい。そのたどたどしさに、日ごろから読んでいないことがよくわかる。
問題文を読まないで、問題が解けるわけがない。
低学年のうちは、それでも何となく印象でも解いていけるのだが、上の学年に上がるほどに、問題を読まなければ解くことはできない。
その顕著な例が、文科省の学力調査である。
学力調査は、問いの数が思いのほか少ない。しかし、それを答えるための問題文が長い。そして、読まずに適当に書くと間違うような、問いが設定されてある。
まさに「正確に読めている」ことを求めている。
反対に言えば、読めさえすれば、思ったほどに難しい問題ではないのだ。
だから、日ごろのテストの時から、問題文を読むことの習慣をつけさせる。
それも正確に読むように、である。そのためには、まず問題文を音読させ、あやふやな読み方をしている場合に明確な指導を入れなければならない。
まず、テストを始める前に問題文を読む。みんなで音読するのである。
大問も読む。(「□1,次の問いに答えましょう。」など)
①は「まるいち」と読ませ、(1)は「かっこいち」と読ませる。㋐は「あ」ではなく、「まるあ」と読ませる。
テストを解かせる前に音読をすることで、こうやって問題を解く前には問題を読むのだということを教えなければならない。
今はみんなで音読しているが、本来ならば自分一人で黙読してから解かなければならないのだということを明確に伝えていかなければならない。
私が新任の時に、初めは国語のテストの平均点は80点前後だった。先輩教師に勧められて、解く前にみんなで音読をして臨ませた。
すると、平均点は90点程度となり、音読をしただけで10点の跳ね上がりだったことを今でも記憶している。
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