テストに対する教師のメンタルブロック

教育技術シリーズ

 現職の教師は、大学を卒業し、教員採用試験を合格し、今現場にいる。俗にいうところの、受験競争の中を生き抜いてきた人ばかりである。
 おそらくは多くの人が、子どもの頃から成績も比較的いい方で、テストもいい点数を取ってきたことだろう。(そうでない人もいることは知っている。)

 テストとは子どもを評価する手段、と思い込んでいる教師がほとんどだろう。
 ある期限を切って(テスト当日)、問題を出し、それができるかどうかをもって、子どもたちの優劣を見ている。是非はともかく、評価しているのは事実であろう。

 通信表作成という学期末の大仕事を処理するために仕方なくやっているかもしれない。
 しかし、小学校の三段階評価は、それほどテストに厳密でなくとも実行可能である。

 問題はそこではない。教師の多くが受験競争を生き抜いてきた。その時々にあった試験(=テスト)を合格してきたから今がある。
 その自分が通過してきたものと同じものだと思っていることが、最大の問題なのである。

 進学のための試験、それだけでなくある種の検定や認定試験などは全て、合格者と不合格者を選別するために行われてきた。
 繰り返すが、これらの試験は「選別」のために実施されてきた。だから合否の基準が必要であり、優劣の判定をしなければならない。時に難問を入れ込んだりして、優劣が生じるような試験が、いい試験だとされることもある。

 しかし、小学校のテストは根本的にその質が異なる。

 小学校のテストは、本来全員が満点を取るべきものである。そこに合否を決める必要性は何もない。(ある時点で分からなくても、後日分かるようになってもいいはずだ。)
 点数に差が生じるのは、本来教師の教え方に問題があるはずであって、子どもの優劣を見るべきものではない。

 それにも関わらず、自分が通過してきた受験のテストがオーバーラップし、しかも必要のない合否判定を通信表があるという理由で小学校に持ち込んでいる。

 テストの点数がみんな上がったときに喜ぶのではなく「これでは成績がつけられない」と嘆く教師がいる。一部を不合格にしなければ、というメンタルブロックが、子どもを伸ばさない原因の一つになっている。

 あなたは全員が満点になることを、本当に願っているだろうか。

テストの指導ラインナップ
 市販テストの点数を上げる
 テストに対する教師のメンタルブロック
 漢字のテストの目的は何だったのか
 小学生のテストは教材そのものである
 テストはまず問題文を読ませる
 テストの解き方・最低限の知識
 テスト実施方法
 テスト採点方法
 テスト保管方法
 テストで名前と文字の指導
 国語のテストの解き方1 見つける
 国語のテストの解き方2 読む習慣
 国語のテストの解き方3 問いに対応
 国語のテストの解き方4 言語の問題
 社会のテストの解き方
 算数のテストの解き方1 ミスとの闘いに勝つ
 算数のテストの解き方2 過程を書かせる
 算数のテストの解き方3 見直しの仕方を教える
 算数のテストの解き方4 裏面は授業の反映
 理科のテストの解き方
 テストの平均点 数字から子どもを見る方法

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