立ったままできるようになったら、少し泳いでブレスし、続けて泳げるかどうかを見る。ある程できるようであれば、いよいよスタート位置からの練習である。
まずは「けのび+泳ぐ+ブレス+さらに少し泳ぐ=15m」が目標である。
練習の前に確認する。
ブレスをするはしばらく泳いで1回だけ。しかし、ブレスをしてからもすぐ立たずにしばらく泳ぎ続けること。
15mくらい泳いだかなと思ったら、立ってもいい。まだ25mを目指さなくてもいい。
確認ができたら、泳がせる。
泳いだ様子を見ながら、足りないところを指摘し、直させる。
教師はプールサイドに立ってみることになるだろうが、泳いでいるそばで声をかけてあげる方が、子どもたちも助かる。泳ぎながら修正できるからだ。
この練習をしていくと、10名いたら数名はもう18mくらいいく。子どもも立ち上がって目の前すぐにゴールが見えることに驚く。
周りの子どもたちも驚く。そして、今まで一緒に練習してきた友だちのうち一人でも目標に到達しそうな位置にいることが大きな励みになる。
ここからは、教師の判断がものをいう。
行けそうだと判断したら、25mに挑戦させる。
泳ぐ前に、「もう実力的には何も問題ない。あとは泳ぎたいという君の気持があるかどうかだけだ。」と話をするといい。
「先生がそばにいて、声をかけてあげるから、絶対に立つんじゃないぞ。おぼれそうになったら助けるから、自分で立つな。」と話すこともあった。
25mに挑戦すると言われると、緊張して今までのことを忘れてしまう子どもがいる。
挑戦させるときには、教師はずっとそばにいて声をかける。その子にとって一番ポイントとなるべきことを泳いでいる間に、アドバイスすること。
教師がついて25mを泳ぐという場面を、他の子どもたちも見ている。ある種の合格試験である。スタートする。
全員25m完泳を目指す水泳指導ラインナップ
水泳指導 準備シリーズ 学年全員の指導をターゲットにします
01 泳げることの向こう
02 指導は5月に始まる
03 指導の全体像
04 子どもたちのエピソード
05 指導の系統
水泳指導 浮きの指導シリーズ 苦手な子どもたちはここからていねいに指導します
06 顔を水につける
07 もぐる
08 浮く指導
09 浮く指導の小さなステップ
10 ふし浮き
11 けのび
12 けのび微細な指導
水泳指導 息つぎの指導シリーズ 25m完泳しない大半の理由はここにあります
13 息つぎ
14 ボビング
15 連続したボビング
16 浮きと呼吸の連動
17 浮きと息つぎの発展
水泳指導 ストロークとキックの指導シリーズ 協応動作という考えを水泳にも取り入れます
18 キックとストローク
19 ストロークどこを見るか
20 腕に水の抵抗を感じるか
21 キックの練習
22 キックとストロークの連動
23 ブレスをいれた泳ぎ
24 クロールのブレス
水泳指導 目標の25mへの指導シリーズ いよいよゴールへ向けて詰めの指導です
25 完泳への力を蓄える
26 目標25mへ
27 完泳までの道のり
28 酸素摂取能力
水泳指導 まとめシリーズ 学校全体で指導ができると負担軽減・効果倍増なのです
29 保護者への話
30 全校での指導
31 全校での指導系統案