水泳指導22 キックとストローク連動

 キックとストロークを組み合わせる。

 ここまですでに、たくさんのことを教えてきている。無意識のうちでできるようになったこともあるだろうが、また意識しないとすぐに忘れてしまうこともある。いちいち思い出しながら体を動かすわけにはいかない。

 そこで、子どもたちには

 泳ぎの中心は手かきだ。バタ足はおまけでいい

 と伝える。

 実際に、手が正しく動き、上半身が安定した推進力を生むようになれば、下半身もなぜかスムーズに動くようになっている。

 おそらく上半身の動きの方が、子どもにとって難しいからだろう。難しい方ができるようになって、下半身も連動できるようになるのだろうと推測している。

 練習方法は今まで同じく「けのび+」である。

 しかし、今度はすぐに手足を動かし始めていい。始めの数秒だけ「けのび」を維持すればいい。

 この段階になると、けのびもいつのまにか上手になっている。数秒の間に、かなりの距離を進むことができるようになっている。

 キックとストロークの連動で、目標は12mと設定する。

 大半の子どもは10m程度は行けるだろう。なぜか数mで止まる場合は、今まで取り組んできたもののうち何かが不十分なのだ。

 ブレスなしで10~12mを泳げるようになれば、もう25mはすぐそこにある。

 この練習でも「先生の手に、指を突き刺すつもりで泳いでおいで」という指示は、かなり有効である。

 何人もの子どもが、これで記録を伸ばしてきた。

 時には泳ぐスピードがあまりに速くなり、教師が歩きながらバックをするのが間に合わないといううれしい誤算もあった。

 いよいよブレスを連動して、25mを目指す。

全員25m完泳を目指す水泳指導ラインナップ

水泳指導 準備シリーズ 学年全員の指導をターゲットにします
 01 泳げることの向こう
 02 指導は5月に始まる
 03 指導の全体像
 04 子どもたちのエピソード
 05 指導の系統

水泳指導 浮きの指導シリーズ 苦手な子どもたちはここからていねいに指導します
 06 顔を水につける
 07 もぐる
 08 浮く指導
 09 浮く指導の小さなステップ
 10 ふし浮き
 11 けのび
 12 けのび微細な指導

水泳指導 息つぎの指導シリーズ 25m完泳しない大半の理由はここにあります
 13 息つぎ
 14 ボビング
 15 連続したボビング
 16 浮きと呼吸の連動
 17 浮きと息つぎの発展

水泳指導 ストロークとキックの指導シリーズ 協応動作という考えを水泳にも取り入れます
 18 キックとストローク
 19 ストロークどこを見るか
 20 腕に水の抵抗を感じるか
 21 キックの練習
 22 キックとストロークの連動
 23 ブレスをいれた泳ぎ 
 24 クロールのブレス

水泳指導 目標の25mへの指導シリーズ いよいよゴールへ向けて詰めの指導です
 25 完泳への力を蓄える
 26 目標25mへ
 27 完泳までの道のり
 28 酸素摂取能力

水泳指導 まとめシリーズ 学校全体で指導ができると負担軽減・効果倍増なのです
 29 保護者への話
 30 全校での指導
 31 全校での指導系統案

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