水泳指導19 ストロークどこを見るか

 次に腕全体の動かし方である。

 原則は手の先と同じである。すなわち、水の塊を後ろに追いやり、代わりに自分が前に出るイメージである。だから、上手な動かし方になれば当然抵抗感が生まれる。

 指先はなるべく遠くにもっていく。一番遠くの水をつかむためとイメージする。

その水の塊を後ろにやりながら、腕全体で大きな塊ごと後ろにもっていく。

 水中に立った状態で、肩まで水にいれて、この動きをやってみる。上手な動きになれば、抵抗感のせいで腕の動きに力が入り、体は逆に自然と前に行こうとする。

 練習していると、いつの間にか抵抗感を避けるような動きになってします。その方が楽だからである。指先から腕全体の動きで水を後ろにおいやっているか、常に意識する。

 後ろに水を追いやったら、指先をもとの位置に戻す。

 この時に水の中に腕が入ったままだったら、反対に水の塊を戻してしまう。

 後ろに水を追いやったら、すばやく腕全体を水から出す。出して元の位置に戻す。戻すときに腕を大振りするとエネルギーの無駄遣いになる。ひじを曲げ、腕を回すというより前に突き刺すようにして戻す。

 水の中と水の外では、動き方が全く違うことに気づかせる。

 ここに意識が行かないと本当にお風呂のおもちゃのように、ただ腕をぐるぐると回す動作になる。

 一方の手で水をかき、指先がもとに戻ってきたところで、反対側の手を動かし始める。

利き手でない方も、同じように動くかどうか、教師のチェックが必要である。

 初級者の場合には、一方の指先が戻ってきてから、反対の腕を動かし始めるように指導する。上手になると、そのあたりにこだわらなくても推進力はでるのだが、初球の場合は、一つ一つ動きに意識を向ける必要がある。雑に動かさない。

 腕がばらばらに動くと、これまたお風呂のおもちゃのように見えてしまう。本人の懸命な努力の割には、全く前に進まない状況になる。

 そして、この一連の動きを、なるべく速く進めることである。

全員25m完泳を目指す水泳指導ラインナップ

水泳指導 準備シリーズ 学年全員の指導をターゲットにします
 01 泳げることの向こう
 02 指導は5月に始まる
 03 指導の全体像
 04 子どもたちのエピソード
 05 指導の系統

水泳指導 浮きの指導シリーズ 苦手な子どもたちはここからていねいに指導します
 06 顔を水につける
 07 もぐる
 08 浮く指導
 09 浮く指導の小さなステップ
 10 ふし浮き
 11 けのび
 12 けのび微細な指導

水泳指導 息つぎの指導シリーズ 25m完泳しない大半の理由はここにあります
 13 息つぎ
 14 ボビング
 15 連続したボビング
 16 浮きと呼吸の連動
 17 浮きと息つぎの発展

水泳指導 ストロークとキックの指導シリーズ 協応動作という考えを水泳にも取り入れます
 18 キックとストローク
 19 ストロークどこを見るか
 20 腕に水の抵抗を感じるか
 21 キックの練習
 22 キックとストロークの連動
 23 ブレスをいれた泳ぎ 
 24 クロールのブレス

水泳指導 目標の25mへの指導シリーズ いよいよゴールへ向けて詰めの指導です
 25 完泳への力を蓄える
 26 目標25mへ
 27 完泳までの道のり
 28 酸素摂取能力

水泳指導 まとめシリーズ 学校全体で指導ができると負担軽減・効果倍増なのです
 29 保護者への話
 30 全校での指導
 31 全校での指導系統案

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