水の中で息が吐けるようになったら、いよいよボビングに進む。
この場合のボビングとは、いわゆる「ブクブクパッ」と呼ばれる、水中で息を吐き、顔を上げて息を吸う動作のことを指すと考えていただきたい。
このボビングは、子どもたちによってさまざまな様相をもつ。ていねいに指導をしていかないと、のちに泳ぎにつながらないので注意が必要である。
反対に言えば、ここを突破できればもう25mには手が届いたようなものである。
基本型
水に潜る → 水中で息を吐く → 水面に顔を上げ息を吸う → 再び潜る
(この繰り返し)
注意点は以下の通りである。
1 水中にいる時間をなるべく長くする。息を吐くことによって、いる時間を長くする。
2 息が続かなくなったと思ったら顔を上げる。余裕があるなら、長く水の中にいる。
3 顔を出すときは、できるだけ顔だけを出す。上半身が全部出る子どももいる。
(スイミングスクールでのボビングジャンプはむしろ上半身を出すようにするが
ここではそれを扱っていない。)
4 顔を上げている時間はなるべく短くする。一瞬である。
5 顔を上げたときに最後の息を「パッ」と吐き切ると、息が吸える。
6 息を吸ったと思ったら、すぐに潜る。
水の中にいる時間をなるべく長くし、反対に顔を上げている時間をできるだけ短くする。これが泳ぎにつなげるための基本である。
慣れない子どもたちは、反対になる。水中の時間が短く、顔を上げている時間が長い。それも相当長い。
できる子どもの様子を見せるなどして、実感させる。
水の中では、息を止めるよりも、吐いている方が、長くいることができる。息を少しずつ吐きながら、長く水中にいることを心がけさせる。
繰り返し登場するが、忍者のイメージだとよく伝えていた。敵に見つからないよう、顔を上げるのは一瞬だという話をしていた。
全員25m完泳を目指す水泳指導ラインナップ
水泳指導 準備シリーズ 学年全員の指導をターゲットにします
01 泳げることの向こう
02 指導は5月に始まる
03 指導の全体像
04 子どもたちのエピソード
05 指導の系統
水泳指導 浮きの指導シリーズ 苦手な子どもたちはここからていねいに指導します
06 顔を水につける
07 もぐる
08 浮く指導
09 浮く指導の小さなステップ
10 ふし浮き
11 けのび
12 けのび微細な指導
水泳指導 息つぎの指導シリーズ 25m完泳しない大半の理由はここにあります
13 息つぎ
14 ボビング
15 連続したボビング
16 浮きと呼吸の連動
17 浮きと息つぎの発展
水泳指導 ストロークとキックの指導シリーズ 協応動作という考えを水泳にも取り入れます
18 キックとストローク
19 ストロークどこを見るか
20 腕に水の抵抗を感じるか
21 キックの練習
22 キックとストロークの連動
23 ブレスをいれた泳ぎ
24 クロールのブレス
水泳指導 目標の25mへの指導シリーズ いよいよゴールへ向けて詰めの指導です
25 完泳への力を蓄える
26 目標25mへ
27 完泳までの道のり
28 酸素摂取能力
水泳指導 まとめシリーズ 学校全体で指導ができると負担軽減・効果倍増なのです
29 保護者への話
30 全校での指導
31 全校での指導系統案