過去見たことがある水泳指導では、けのびの後でバタ足の練習をする流ればかりだった。
キックの練習をすることで、距離を伸ばしていこうという目標なのだろう。また、ここでビート板を使わせる練習も何度も見た。
結論を言えば、だから子どもたちの泳力は伸びなかったのだ。この段階から練習方法はほとんど変わらない。これにストロークが入るくらいである。6年生まで同じ練習を繰り返している場合がかなりある。
けのびの次は、ブレスの練習である。
ここを通過しない限り、子どもたちの泳力は絶対に伸びない。
逆に言えば25mを泳がせるために、ブレスを身につけることは必須条件である。
さらに言う。
苦手な子どもほど、ブレスの練習をしない。教師が指導しないとできるようにはならない。
ブレスの練習は、浮きからけのびの練習とは系統の流れを異にする。だから、低学年から段階的に指導することが可能ならば、1年生からでもできる。
けのびができてからでないと、ブレスができないわけではない。
自分が高学年を短時間で泳がせるときに、この順序が効率的だったというだけである。
ということで、ブレスの練習に入るときは、また壁につかまっている状態から始まる。
1 水の中で息を吐く
簡単そうだが、これまでの一連の練習の中で、一度もやっていなかったという子どもはかなりいる。水の中ではずっと息を止めていたのだ。
だから、念のために全員にさせてみて、様子を見てみるといい。ほんの少しだけ吐いてすぐに顔を上げる子どもがいるはずだ。
水の中で息を吐くとき、必ず頭まですっぽり潜っておくこと。
これも思ったよりもできない。息を吐く経験がなかった子どもは、また浅くしか潜らなくなるのだ。指摘しながら、確実にできるようにさせていく。
全員25m完泳を目指す水泳指導ラインナップ
水泳指導 準備シリーズ 学年全員の指導をターゲットにします
01 泳げることの向こう
02 指導は5月に始まる
03 指導の全体像
04 子どもたちのエピソード
05 指導の系統
水泳指導 浮きの指導シリーズ 苦手な子どもたちはここからていねいに指導します
06 顔を水につける
07 もぐる
08 浮く指導
09 浮く指導の小さなステップ
10 ふし浮き
11 けのび
12 けのび微細な指導
水泳指導 息つぎの指導シリーズ 25m完泳しない大半の理由はここにあります
13 息つぎ
14 ボビング
15 連続したボビング
16 浮きと呼吸の連動
17 浮きと息つぎの発展
水泳指導 ストロークとキックの指導シリーズ 協応動作という考えを水泳にも取り入れます
18 キックとストローク
19 ストロークどこを見るか
20 腕に水の抵抗を感じるか
21 キックの練習
22 キックとストロークの連動
23 ブレスをいれた泳ぎ
24 クロールのブレス
水泳指導 目標の25mへの指導シリーズ いよいよゴールへ向けて詰めの指導です
25 完泳への力を蓄える
26 目標25mへ
27 完泳までの道のり
28 酸素摂取能力
水泳指導 まとめシリーズ 学校全体で指導ができると負担軽減・効果倍増なのです
29 保護者への話
30 全校での指導
31 全校での指導系統案