水泳指導7 もぐる

体育授業のコツ

 肩から水に入って、だんだん深く沈ませていき、額まで行けば「顔を水につけた」と言えるだろう。

 ここから「もぐる」ステップになる。大人やできる子どもたちには、ここまで行けばもう潜るのも簡単だと思うだろうが、細かくステップが必要である。

 額まで水につけたとしても、そこから先に進まない子どもがいる。
 本人は全部水の中にいるつもりだからだ。「おでこも頭の先も全部水に入れるよ」とさらに先に進むことを促す。

 私は忍者になって水に隠れるのに、頭が出ていたら敵の忍者に見つかるよ、と話す。緊張している子どもたちには和む話のようだ。
 頭まで潜る練習をしているときにも「手裏剣が来るよ」と頭の先をちょんとつついたりして、頭が出ていることを意識させる。

 ここは回数が勝負である。何度も何度もやっているうちに少しずつ深く潜れるようになっていく。

 同時に時間も意識させる。始めは本当にゼロ秒である。潜ったらすぐに出てくる。忍者が敵に襲われないためにもなるべく長く潜ろうと話をして、何度も挑戦させる。

 一度頭がすっぽり入ってしまって、その感覚が分かれば、後は回数を重ねることで上手になってくる。後戻りすることはない。
 教師がそばについていなくても、子ども同士でペアを組ませて、交互に潜らせたり、一緒に潜らせたりすることもできる。

 初回ができるようになって、回数を重ねる練習になれば、教師がその場にくっついていなくても練習ができる。

(もちろん、これは見える範囲のところには教師はいるという意味である。)

 プールの底に手が届くくらい、あるいは高学年ならお尻がつきそうなくらいまで潜ることができるようになると、次のステップがすぐそこに待っている。

全員25m完泳を目指す水泳指導ラインナップ

水泳指導 準備シリーズ 学年全員の指導をターゲットにします
 01 泳げることの向こう
 02 指導は5月に始まる
 03 指導の全体像
 04 子どもたちのエピソード
 05 指導の系統

水泳指導 浮きの指導シリーズ 苦手な子どもたちはここからていねいに指導します
 06 顔を水につける
 07 もぐる
 08 浮く指導
 09 浮く指導の小さなステップ
 10 ふし浮き
 11 けのび
 12 けのび微細な指導

水泳指導 息つぎの指導シリーズ 25m完泳しない大半の理由はここにあります
 13 息つぎ
 14 ボビング
 15 連続したボビング
 16 浮きと呼吸の連動
 17 浮きと息つぎの発展

水泳指導 ストロークとキックの指導シリーズ 協応動作という考えを水泳にも取り入れます
 18 キックとストローク
 19 ストロークどこを見るか
 20 腕に水の抵抗を感じるか
 21 キックの練習
 22 キックとストロークの連動
 23 ブレスをいれた泳ぎ 
 24 クロールのブレス

水泳指導 目標の25mへの指導シリーズ いよいよゴールへ向けて詰めの指導です
 25 完泳への力を蓄える
 26 目標25mへ
 27 完泳までの道のり
 28 酸素摂取能力

水泳指導 まとめシリーズ 学校全体で指導ができると負担軽減・効果倍増なのです
 29 保護者への話
 30 全校での指導
 31 全校での指導系統案

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