水泳指導3 指導の全体像

体育授業のコツ

 勤務校では学年で指導していた。学年全部でも3学級100人程度だったので、6年生でも全員を一度に入れることができた。

 できない子どもたちに25m泳がせるようにするためには、学年で能力別に分けないと難しいと思っている。

 水泳学習が始まる前にも、そのような指導をすることは予め伝えておき、共通理解を図っておく。

 コースは3学級ならば、①すでに25m泳げるコース、②15m程度泳げて、もう少しで到達しそうなコース、③泳げないコースに分ける。②や③は合格したら、すぐ上のコースにあげていく。

 自分がいつも③の子どもたちを担当していた。

 やがて、泳げる子どもたちが増えてくると、この編成は変わってくる。①長距離や平泳ぎなど自分のめあてを決めて泳がせるコース ②25m泳げるけれどもっとスムーズに泳げるように練習するコース ③泳げないコースというようになってくる。

 実際に5年6年と持ち上がったときに、5年の初めに100人のうち25mを泳げたのは10名あまりだった。それが5年生の水泳学習終了時には80名以上が泳げるようになった。当然、コースの人数に偏りが出るために途中で編成し直すことになる。

 ちなみに残った10名あまりの泳げなかった子どもたちを泳げるようにすることは、はるかに難しい。この子どもたちは6年生で引き続き指導することになる。

 勤務校は学年で指導する代わりに、どの学年も2時間単位で使用割が決まっていた。

 だから時間数は10時間程度でも、回数で言えば5回程度になる。

 その中で泳げるようにしていくのである。

 まずは、もう少しで泳げるという子どもたちに指導を入れて、次々と合格させていく。

 泳げないコースには本当に浮くのも精一杯という子どもがいる。そうした子どもたちに対応できるように、ある程度できる子どもたちには、ステップアップしてもらう。

 始めの数時間で、毎回10人以上泳げるようになっていく事実を見て、子どもたちの学習に対する見え方も変わってくる。

水泳指導 準備シリーズ 学年全員の指導をターゲットにします
 01 泳げることの向こう
 02 指導は5月に始まる
 03 指導の全体像
 04 子どもたちのエピソード
 05 指導の系統

水泳指導 浮きの指導シリーズ 苦手な子どもたちはここからていねいに指導します
 06 顔を水につける
 07 もぐる
 08 浮く指導
 09 浮く指導の小さなステップ
 10 ふし浮き
 11 けのび
 12 けのび微細な指導

水泳指導 息つぎの指導シリーズ 25m完泳しない大半の理由はここにあります
 13 息つぎ
 14 ボビング
 15 連続したボビング
 16 浮きと呼吸の連動
 17 浮きと息つぎの発展

水泳指導 ストロークとキックの指導シリーズ 協応動作という考えを水泳にも取り入れます
 18 キックとストローク
 19 ストロークどこを見るか
 20 腕に水の抵抗を感じるか
 21 キックの練習
 22 キックとストロークの連動
 23 ブレスをいれた泳ぎ 
 24 クロールのブレス

水泳指導 目標の25mへの指導シリーズ いよいよゴールへ向けて詰めの指導です
 25 完泳への力を蓄える
 26 目標25mへ
 27 完泳までの道のり
 28 酸素摂取能力

水泳指導 まとめシリーズ 学校全体で指導ができると負担軽減・効果倍増なのです
 29 保護者への話
 30 全校での指導
 31 全校での指導系統案

タイトルとURLをコピーしました