子どもは食べたことのないものは警戒する。
本能的には正しい判断である。原始の時代であれば、危険なものはあちこちにあったのだから。
しかし現代社会では、食べたことがないからと言って危険である心配はほとんどない。
地元の給食では、他の地方の郷土料理や、外国の料理などが定期的に出てくる。それ以外でも子どもたちが家では口にしないような料理がたくさん出てくる。
その趣旨を話しておく。
「給食は、昔、世の中全体が貧しかったので、子どもたちみんなに食事を与えることが目的で始まりました。だから、メニューなどははっきり言えば考えられていませんでした。
今の給食は違います。メニューがとても工夫されています。それも、家では絶対に出してもらえないようなメニューもあります。お母さんに頼んでも作り方も分からないようなものもあります。
それは君たちに子どものうちからいろんなものを食べてもらいたいという願いからです。
初めてのものが出たら、ラッキーと思って挑戦してみましょう。そもそも子ども用に味付けし直してあるので、絶対においしいです。」
こうして献立の中に書いてあることを紹介したり、時には給食時の放送でメニューの紹介があるのできちんと聞かせたりする。
こんな話もする。
「シマウマは草食動物といって、草しか食べません。草しか食べなくてもそこから栄養が取れるようになっているのです。ライオンは肉食動物といって、肉しか食べません。でも肉から栄養が取れるようになっているのです。
これに対して、人間はなんでも食べる動物です。雑食と言います。なんでも食べられるように、前の方の歯は、肉でもかみ切られるようになっているし、奥の歯は、シマウマや牛のようにすりつぶして食べる歯になっていて両方の使い方ができます。
しかし、これは人間はいろんなものを食べないと栄養が取れない体になっているということです。なんでも食べようと小さい時から言われているのは、人間はいろんなものを食べることで生きていく動物だからなのです。」
文化や生物学的な側面から話をしておく。
わずかではあるが、食育にもつながるし何より知的になる。
子どもたちがそうした知識と経験をもって大人になることが目的であり、今目の前の食事を単に食べきるだけが目的ではない。
それにしても、今の給食は本当にすばらしいと思う。年々、改善されている。
個人的には地元福岡市のカレーは絶品であると思っている。(*^^*)
これは子どもも大人もおいしいと思えるカレーである。それだけでもすごいことである。いつも「これを商品として出せばいいのに。」と料理業務員や栄養教諭に話していた。
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