無理して完食させる必要はない。
学校で、完食週間などを設定しているところがある。
学級単位の取り組みなると、一部の大量に食べる子どもたちがますます食べるだけという、皮肉な結果になる。
食べ過ぎている子どもたちに余計に食べさせるのは、足りないのと同じくらいに実は問題である。
食べるのが間に合わない原因の一つが、時間が足りないことにある。
これは、先にも述べたように準備の方法によって時間を確保できるようになる。受け持った子どもたちの言葉によると、昨年度よりも10分くらい早いと言っていたので、むしろ今までが遅すぎたのかもしれないが。
次に食べ方の指導である。
「もぐもぐタイム」をご存じだろうか。5分程度おしゃべりを一切せずに食べることに専念する時間を設定することである。(ご存じない場合は、あえて知らなくてもいいと思う。)
あまり意味がないとは思うのだが、もしこれを設定するとしたら、食べ始めの5分がいいだろうか、それとも終わる直前の5分がいいだろうか。
これはもちろん、食べ始めの5分である。
終わりの5分に急がせたところで、もうおなかはいっぱいになっているし、個人差はつきすぎているし、あきらめている子どもはどれだけ急がせても変わらない。
始めの5分でどのくらい食べているかで、ほとんど決まると言っていい。
あえて「もぐもぐタイム」を設定する必要はない。しゃべるなと言うだけで、食べるようになるわけではない。
小さな子どもは、同じものをずっと食べ、終わると次のものを食べるという「ばっかり食べ」と名付けた食べ方をする。教えなければ個の食べ方のままである。我が子たちもみな初めはそうだった。
小学生になっても、この食べ方をする子どもは意外に多い。高学年でもいる。これが習慣になると、あるものだけが時間切れで残るというパターンに陥る。
また、中には真っ先に牛乳を飲み干し、それからご飯やパン、おかずに手を付ける子どももいる。これも食べ方としては、いい食べ方ではない。
完食がどうこうというよりもマナーの問題として、指導が必要である。
給食指導ラインナップ
給食指導 コンセプト設定
給食指導 時短から始める
給食指導 時短の思想を学ぶ
給食指導 配膳のコツ
給食指導 セルフサービスの意味
給食指導 おかずをつぎ切る
給食指導 完食よりマナー
給食指導 食べ方基礎知識
給食指導 食べ方の指導(高学年)
給食指導 食べ方の指導(低学年)
給食指導 おかわりの指導
給食指導 微細だが重要な食事の指導
給食指導 知的に指導する
給食指導 後片付けその他
給食指導 給食週間と完食指導
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