研究授業17 教科書の指導書

学校システム

 研究授業の準備その8 教科書の指導書を読む

 指導要領を読んだ後で、教科書の指導書を読むと、見え方が全然違うことに気づく。
 教科書会社が勝手なことを言っているのではなく、指導要領に則って書いてあることが読み取れるようになるからだ。
 残念ながら、この「文献にあたる」という点では、教師個人の能力では比べ物にならない。教科書会社の方が読み込んでいるだろう。(悔しいけど)
 教科書会社は、それを仕事にしている何人もの人が担当し、これまでの何年もの情報の蓄積があり教科書出版という形で厳しい社会の視線を受けながら作ってきているからだ。

 開き直って、使えるものはどんどん使うことにする。
 私のお勧めは、単元の構成の部分である。
 それぞれの単元の解説が示されている、その冒頭の部分です。
 教科書会社も、これがはっきりしていなければ、そもそも教科書を作ることはできないから、それなりの十分な検討がなされていると考えていいだろう。
 この単元で、どんな目標で、何をどのように教えるのかの概略をつかむことができる。

 教科書会社によって、単元の構成が少しずつ違うのだが、その特徴となる理論もここに示されていることが多い。
 (手元に数社分あるなら比べてみるとおもしろい。)

 単元の系統が示されている部分もおもしろい。
 今からするこの学習は、前の何からつながっていて、どこへ向かっていくのかすぐに分かるように書いてある。これも教師が自分で調べるより、書いたものを見る方がはるかに速い。

 系統が分かれば、教材研究の指針もはっきりしてくる。
 また、概念や用語の説明、授業で扱う時の注意などが書いてある部分もお勧めである。

 指導要領の内容をさらに具体化したものが、ここにあると思ったらいい。
 遠慮しないで全部活用する。

 最近の指導書には「特別支援教育」としての配慮事項も書いてある。
 これも(全てが正しいとは思えないときもあるが)ていねいな作業がしてあるなと思う。

 私が指導書を読むときには、大体ここまでである。
 各時間の内容については、ほとんど読みまない。読んでも使わないことの方がはるかに多い。

 これは人によるだろうが、私個人では、教科書が今この形で目の前にある理由が分かればいいのであって、それをどう授業するかは自分の判断だと思っている。
 だから、目標は方向性が分かれば、子どもの前にどうやって立つかは自分自身で決めようと思っていたわけである。

 ここまでくれば、およその授業の流れは頭にある、という状態になるだろう。

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