主運動の確保 個人編 その2
前号の続き(個人の主運動を確保1)
今しか練習時間はない。上達しないのは回数のせい、なら今練習しようという原理は当たり前だが、子どもにきちんと話しておく。
これは算数でも国語でも実は同じである。宿題に依存せず、今の時間を精一杯とりくんでいくことが結果を生み出すのだ。
この話をした後、子どもたちにはしばらくの間、回数を意識させる。跳ぶ段の高さは選んでいい。怖くない高さを選びなさいと伝えてある。(原初的おもしろさ)
今から〇回跳びなさいと指定したり、〇回跳んだら集合と声をかけたりする。
しかしいつまでも単純な回数のカウントで終われば、本末転倒である。
上手になるために回数を増やそうと言っているのだから、次第に回数から跳ぶためのコツに視点を移らせていく。
子どもたちが跳んでいる中で、少しずつ踏切板を後ろに下げていくこともできる。
着地の位置を意識させることもできる。
子どもたちは上手になりたいために、数を重ねるようになる。
バスケットボールのようなチーム戦の学習は、もちろん均等にゲームに出るように配慮が必要である。人数の都合上複数回出る子どもがいる場合、その複数回出る子どもがいつも同じにならないことまでルール化する。
それでもまだ足りない。
もし、ゲームには出るが、全くボールに触れず、ただ走り回っているだけの子どもがいたとしたら、その子は主運動に参加したといえるのだろうか。
つまり、ボールに触れ、チャンスがあれば積極的にシュートを打つような状況まで作らなければ、主運動を確保したとは言えないのではないか。
そのための方法も後述する。
リレーの練習を子どもに任せると、おもしろい現象がみられる。
リレーの練習の中心はバトンパスである。それにも関わらず、子どもたちは律義に予定されているコースを走ってからバトンを渡そうとする。
だから誰かが走っている姿をじいっとみんなで眺めながら、ゴール近くなったときにバトンを受ける人と渡す人だけが一瞬練習している状態が作られる。
ものすごくコスパが悪いが、本人たちは大まじめである。
バトンパスに特化した練習の方法を教えなければ、変わらない。
体育指導 「主運動」の時間を確保するための微細シリーズ
01 「主運動」という視点
02 着替え
03 教室移動
04 教室移動(高学年)
05 教室移動(残り時間)
06 準備・片付け
07 準備・片付けの微細なコツ
08 準備運動・集合
09 器具・用具・道具の整備
10 使用割
11 学習カード
12 個人の主運動を確保1
13 個人の主運動を確保2