学習カード
学習カードは基本的に要らないと思っている。カードを準備する時間、それを子どもたちに書かせる時間、そして教師が見る時間を考えると費用対効果が悪い。
毎時間書かせるのではなく、単元の終わりに1回だけ書かせるだけで十分である。
学習カードを用意したとして、いつ子どもたちに書かせるか。
かつて体育の研究をしたときに、ある先輩が「朝の会で書かせるといい」と言っていたが、一つの教科のために朝の会の時間を使うことはできない。もし、他の教科でも学習カードが必要になれば、その発想は破綻する。
授業の前後に書かせると、着替えるだけでも時間を圧迫しているのに、他教科の時間を使うことになってしまうだろう。
そうなると、後は授業中に書かせることになる。
鉄棒や縄跳びのように、多彩な技があり、その中でできるようになったものにしるしをつける程度の記入であればカードがあってもよいだろう。
それ以外では書かせる時間がもったいない。ある実践ではバスケットボールの授業で、個人用のカードとチームのカードの両方を書かせていたが、実際にその時間を確保するために別のいろんなものが犠牲になっている。
単元の終わりに1回書かせる場合は、それが評価に直結するようにすると便利である。
知識・技能については、自分ができるようになったことについて書かせる。個人種目はもちろん、ボール運動のようにチームでの活動のものでも、自分個人ができるようになったことを書かせればいい。
思考・判断・表現として、それができるようになるために、どのような練習をしたのか、あるいは上達したコツは何かを書かせていく。チームの運動の場合、自分のチームの長所と短所を分析させるといい。
学びに向かう態度については、友だちとの協力できたこと、うれしかったことなどいわゆる感想に近いものを書かせる。
これを単元が終わった日の宿題として書かせる。私の場合は、これを日記に書かせていた。また、用紙がある場合は日記の代わりにこれを課題としていた。年間を通して同じ書式で書かせていけば子どもたちも何を書けばいいのか理解するようになり、書き慣れていく。
書き慣れるとは、その書式に沿った思考ができるようになっていくということだ。
体育指導 「主運動」の時間を確保するための微細シリーズ
01 「主運動」という視点
02 着替え
03 教室移動
04 教室移動(高学年)
05 教室移動(残り時間)
06 準備・片付け
07 準備・片付けの微細なコツ
08 準備運動・集合
09 器具・用具・道具の整備
10 使用割
11 学習カード
12 個人の主運動を確保1
13 個人の主運動を確保2