使用割
道具等の準備を同じく、場所の使用割も重要である。
ただしこれは学校の規模によって大きく左右されるだろう、一つの学年が5学級も6学級もあるところと2学級のところでは、使用割の編成は全く変わってくる。
ずっと以前に、一週間一回だけ体育館が使えるという使用割の時があった。体育館の使用日を週に一回は全ての学級に保証するという方法である。
しかし、これだと一週間のうち跳び箱を体育館で1時間、ボール運動を運動場で2時間、これを並行して行うことになる。上達を考えるといい方法ではない。
その後、どの学校でも体育の年間指導計画を立てるようになり、体育館と運動場の使用を全学年を見越して体育部が立案してくれる学校が増えてきた。このおかげで、どの単元も一定の時間連続して使えるようになった。
学級数が増えると、同じ時間の運動場に複数学年が入らざるを得ないようになる。こうなると単元の内容も考えないといけない。場所を取る運動どうしが同じ時間に重なると、使いにくいうえに危険である。
鉄棒、走り幅跳びなどと併用することで調整したり、あるいは中学年以上の保健の実施時期をばらして配置することで運動場の使用回数を調節することなどを行う。
ただし、鉄棒運動の配置には配慮が必要であると考える。
鉄棒運動は子どもが本当に集中して続けると、筋力が持たない。どうしても疲れが出てくる。授業が充実してくれば来るほど、疲れやすくなる。この場合、指導計画上は体つくりの運動と連続して配置し、実際の時間は授業の前半に体つくり、後半に鉄棒というような組み立てが必要な場合もある。
学校規模によって配置方針は大きく変わるだろう。また運動会や学習発表会などの行事がはいってくれば、そのための使用割の変更もある。この配置割は体育主任の腕の見せどころであり、道具の整備とともに体育授業をささえる「肝」になると考えている。
こうした仕組みづくりのしっかりしている学校では、普通に授業をしているだけで、共たちの運動量は高くなり、連動する用意上手になってくる。
体育指導 「主運動」の時間を確保するための微細シリーズ
01 「主運動」という視点
02 着替え
03 教室移動
04 教室移動(高学年)
05 教室移動(残り時間)
06 準備・片付け
07 準備・片付けの微細なコツ
08 準備運動・集合
09 器具・用具・道具の整備
10 使用割
11 学習カード
12 個人の主運動を確保1
13 個人の主運動を確保2