提案・配布物を劇的に減らす方法

現代教育論

 学校には、大量のチラシがやってくる。イベント広告のチラシである。

 子ども向けのイベントを開催する場合、こうやって学校に配布のために大量に送られてくる。確かに、学校を通して子どもに直接配るのが、イベント主催者にしてみれば、きっとコスパがいいと考えているのだろう。
 しかし、長期の休み前などになると、本当に大量のチラシがやってくる。中には教育委員会の後援付きのものもあるし、そうでないものもある。学校に電話をかけてきて、チラシを持ってくるので配ってもらっていいか、という依頼があったりもする。

 こうやって学校にやってくるチラシはまず、学級ごとに仕分けがされる。この仕事は、教頭がやったり、教務がやったり、あるいは事務がやったりと学校でそれぞれである。いずれにしても、大規模校で児童数が多かったりすると、それだけでうんざりする。
 そもそも、このチラシを学校までに届けること自体(ルートはそれぞれだが)かなりのコストがかかっている。

 学級ごとに仕分けられたものを担任に渡し、担任が子どもに配る。夏休み前だと、毎日こうしたチラシ配布でかなりの時間をもっていかれる。
 これらを受け取る子どもたちも大変だ。
 この中で保護者の目に留まり、イベントに実際に行くというのはどのくらいの確率なのだろうかと他人事ながら心配もする。

 場合によっては、子どもの目に触れる前に処分されるものもある。児童数に合わない部数をもってくる場合は配りようがない。全員に配らないで、学校で然るべき場所を決めて置いておき、欲しい子どもだけが持って行っていいようにすることもある。

 いずれにしても、年間でこれにかかる延べ時間はかなりになる。配られる紙の量もかなりの量になるだろう。日本中だとこの時間と紙の量はものすごいことになりそうだ。

 そこで提案がある。

 教育委員会の後援依頼受付部署に、ネット広告担当者を設置する。

 宣伝をしたい業者は、教育委員会に後援申請を出し、まず許可を取る。
 許可が出たイベントに関しては、教育委員会が作った専用のウェブページに一定期間掲示されるような「ウェブ広告」を作ってもらう。そのウェブ広告は、それぞれイベントのウェブページにリンクがあり、クリックすると申し込み先にとべるようにしておく。
 業者によっては、ここからクリックしてもらえば割引にするなどの工夫をしてもらってもいい。

 代わりに紙のチラシは一切配らない。学校にも持ち込まない。

 保護者は、それを見て行きたいと思ったものを選び、クリックして申し込みをする。
 こうすれば、まず紙類はゼロになる。これだけでも社会全体からすれば相当なコスト削減である。
 学校の負担もゼロになる。
 そして、保護者は参加したいと思う時には、自分でウェブを見て判断できる。子どもが持ってくるチラシだとほとんどがその場でごみになるだろう。しかし、ウェブ上に常時掲載されているのなら「今度の休みにどこか行こうか」と思い立てば、いつでも見ることができる。

 このシステムにすれば、教育委員会内にウェブ掲載担当業務を作ることだけがコストとなって、後は全てコストが削減される。
 業務担当者は、業者にPDF原稿とクリック先のURLを連絡してもらい、それらを所定の場所にコピーして作成すればいいような、できるだけ簡単なシステムにする。規定を守らない業者の宣伝はもちろんしなければいいだけである。
 社会全体としては、相当なコスト削減になる。

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