再話活動
「再話活動」とは、インプット(ここでは主として、話を読んだり聞いたりすること)した話を再現することの総称だと考えてもらえるといい。
一度インプットしたものを、再現しようとする活動を行うことで、インプットの段階での集中力は格段に上がる。
また、指示の出し方で、どこにインプットの集中をすればいいのかを意識づけることもできる。
これを国語教育の中に取り入れることができる。
国語授業で、新しい教材を始めて扱う時に、まず教師が読んで聞かせることが多いだろう。
読み始める前に、教師が読み終わったら、どんなお話だったのかをなるべく長く詳しく思い出してノートに書くことを、予め指示しておく。
実際に読んだら、ノートを開けさせ「では、どうぞ」と指示を出してすぐに書かせる。
事前に指示を出しておくと、子どもたちもいつになく集中して読もうとする。
時間は10分から15分程度で子どもたちの状況に応じて決めていた。
もっと長い時間をかければ、長く書ける子どもたちもいるが、いつもこの程度を目安にしていた。
子どもたちも4年生くらいでもノート1ページ程度はどの子どもも書くことができるようになっていた。多い子はもっと書けるが、それは記憶の問題というより、鉛筆を動かす速さの問題のようであった。
「時間があればもう少しかけるのに」と子どもが思うくらいの時間で切っておくのがいい。
これは例えば、「読み聞かせ」活動のような場所でも有効である。
以前に勤めていた学校では保護者のボランティアで「読み聞かせの会」の方が、定期的に朝の会の時間に読み聞かせをしてくださっていた。
私の学級では、その日の1校時には必ず国語を入れて、読み聞かせが終わって保護者がおかえりになった後に、すぐにノートを広げて「再話活動」に取り組ませた。
毎回やっていると、子どもたちもパターンが分かってくるので、書く量は増えてくる。
こうしてインプット直後にアウトプットするという活動によって、どちらの方法も巧みになっていく子どもが増えていく。
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