教材研究の最低と最高を決める

働き方改革

教材研究の最低と最高を決めておく

 教材研究には終わりがないことは、別の項で述べた。(参照無限に続く教材研究

 だから、何となく教材研究を始めると、パーキンソンの第一法則に絡めとられて、時間の感覚がわからなくなる。(参照デジタル化では時短できない
 いつも「できたところまで」となる。

 時間の管理という点ではいい方法ではない。

 つい算数の授業準備に時間をかけてしまったが、後から考えたら社会科の方がもっと準備が必要だったということになったりする。

 そこで、予め教材研究の最低と最高を決めておくといい。
 ここでいう「最低」ラインとは、授業が成り立つぎりぎり手を抜いた状態を指すと考えてもらっていい。
 このようなことを考えろといえば、何やら不謹慎に思われてしまう。
 これは一種の危機管理である。

 臨時休業等の万が一を考えた時に、最低限何をすれば授業として成立するかを想定しておくと対応ができる。あとから時間に余裕が生まれれば、その時間分を追加していけばいいのである。
 反対に「最高」のラインとは、計画された時数を全て使い切ってできる授業の内容と考えていい。

 「時数を使い切るなんて、それは普通だろう。」と思うかもしれない。

 しかし、一度「最低ライン」を考えておくと、見え方も発想も変わってくる。実は意外に、授業時数というのは使いえる余裕があるものなのだ。

 研究授業などに取り組むと、授業時数はそのままでも教材研究に時間をかけることになるかもしれない。そうしたときにも、他の教科にかける時間を相対的に減らすことで全体の時間を調整する必要がある。

 教材研究などの授業の準備に軽重を付けることは、教師人生を長い目で見るときには、想像以上に役に立つ。

 年に一つでも二つでもいいので、教材研究の深堀をしておくと、後に思わぬところで役に立ってくるものである。(参照    )

 「最低ライン」の設定の仕方は、各教科によって異なってくる。
 詳細については、それぞれ論じていくので以下のリンクをたどって、参照していただきたい。

 国語 (リンク未設定 ごめんなさい。)

 社会

 算数

 理科

 

 なお、教科や単元によっては、時数の配置も多少の変化がある。

 算数は基本的に毎日1時間ずつ進めていくのがいい。行事などの理由がない限りは途切れないように進めていくと、子どもたちの記憶も切れずにすむ。

 反対に1日に2時間以上入れても、定着しない。
 同じ単位時間をこなしたからといって、同じように定着していくわけではない。

 図工や家庭科などは、高学年の場合、一気に行った方が効果がある。
 時間割を決めていくと、1週間にわずかの時数しか入らなくなる。図工の作品制作や、家庭科の実習などは2時間単位で一気に進める方が効果がある。
 だから、自分が時間割を編成するときは、図工を集中的に進めるときは、家庭科を入れないで時数を調整するなどしていた。

 理科は実験との兼ね合いで、1時間にするか、2時間続きにするかが決まる。時間割の編成は、教材研究と並行して考えた方がいい。
 時間割の編成も、教材研究も、理想を求めてぎりぎりの設定にしたくなるときもある。

 しかし、授業は一年間の長丁場である。教科の数も多い。
 危機管理を含めて、堅実な計画の方が結果的に、安定する。

 10時間を超えるような長い単元の場合は、初めの計画をマイナス1時間で済ませることができるように設定しておくくらいでちょうどいい。

 13時間の理科の単元を、テストを含めて12時間で終わるように計画を立てるということである。こうしておけば、進めている途中で時間変更を余儀なくされても、対応がしやすい。

 また、こういう時のために「最低ライン」を設定していくという視点が生きてくる。

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