どんな授業を見てもらうか5
3 保護者にも一緒に考えてもらう授業
参観で、討論の授業や投げ込み教材などで行うこともある。保護者にも一緒に考えてもらうような授業をを行うためである。
6年社会 縄文時代
「タイムマシンで現代から一つだけ持っていくとしたら何を選ぶか。」
上学年国語 俳句
「赤とんぼ 筑波に 雲もなかりけり」 空の色は何色か
「古池や 蛙飛び込む 水の音」 語り手には古池は見えているのか
「菜の花や 月は東に 日は西に」 菜の花はどのくらい咲いているのか
上学年国語 助詞
「二つの違いを説明しなさい。」(助詞の一文字だけを変え、どう意味が変わるのか。)
こうした授業は、保護者も一緒になって考えている。結論はどうなるのだろうと、子どもたちと同じ目線で考えている。
子どもたちが意見の交流で席を離れ自由に話をしているときに、「おうちの人の意見も聞いてきなさい」と指示し、参加してもらう形をとる。
また、子どもたちの討論の途中で「保護者の皆さんは、どちらの意見ですか。」とあえて振ってみる。子どもたちも興味津々で見る。
今まで傍観者のようにいればよかっただけの授業参観で、一緒に考えて頭をフル回転させることは意外に好評である。
このタイプの授業をした後では、「私も子どもの頃にこんな授業を受けたかったです。」という保護者の話をよく聞かせてもらう。
最後に一つおまけを紹介する
4 音楽の授業
これは、学習発表会前に、発表会で歌う歌の練習風景を見せるという授業である。
おそらく多くの教師はやらないだろう。ネタバレだからである。
ある年の土曜授業では、隣の担任が参観なのにどうしても休まないといけないということがあった。管理職に了解を得て、学年練習の風景を見てもらったことがある。当然、参観者も学年分である。
いわゆる舞台裏紹介なのだが、これを授業にすることで、発表会当日までの努力の足跡が見えることをねらっている。
一度しか聞けないよりも、事前に「こんな曲を演奏するのか」と知ってもらえるのも、悪くはない。
この手の授業での絶対的な条件は、参観日の状態よりも、本番の方がずっといい演奏になっていることである。
しかも、叱り飛ばして指導しているような状態では、とてもではないが見せられない。
こんな練習をするのなら、本番はもっと楽しみだなと思わせるという授業でなければならない。
結論を言えば、学習発表会は大成功であった。
ある保護者には「土曜授業の時もよかったけど、本番はさらによかったので、感動しました。」と話してくれた。
授業参観シリーズ
01 保護者は我が子を見に来る
02 ネタの向こうに見えるもの
03 算数ノートを見てもらう
04 全部見てもらう
05 保護者を巻き込む授業+おまけ