個と個の「関係」を見る
学級を一つのネットワークだと見たときに、個と個の関係すなわち「つながり方」に注目する。
個と個のつながりをバネのようなものと仮定する。
一人の子どもからたくさんのバネが出ていることもあれば、わずかのバネしか出ていない子どももいるだろう。
太いバネもあれば、細いバネもあります。
ある場所はバネが集中しているけれど、別の場所はバネが少ないかもしれない。
学級全体が一様に、バネが多い場合もあれば、その逆もあるだろう。
ある子どもを中心にたくさんのバネが出ていて、周りを引き付けていることもある。
ある3人は互いのバネがとても強いけれど、他の子どもとのバネがほとんどない場合ような孤立した場合もあるだろう。
個と個は互いに影響しあい、そのバランスの中で自分の位置が決まっていく。
つまり、今見えている子どもの姿は、個人の個性の問題だけでなく、他者とのつながり方によって変化することもある。
学級編成をして新しい学年になったら、子どもの様子が大きく変わるということがある。新しい友だちとの関係によって、今までにない一面が出てきたと言えるだろう。
組み合わせ方によって、全くの別人になってしまうような姿に、「化学反応」と呼んでいたこともある。(これは良い面も悪い面もあるが。)
これこそ、まさしく「つながり方」によって立ち位置が変わっている状態である。
子どもの様子を見るときに、その子を単体として見ようとしてしまうが、つながり方をみることによって、違った見え方ができる。
個の存在と同じくらいに、関係性が重要なのである。置かれている状況や他者との関りによって、個の存在は、大きく変化していく。