中学入試問題
中学校で私立に行くことの是非は置いておく。
しかし、入試問題は本当によくできていると思う。小学校の学習内容だけでこれだけの問題を作成できるというのは、ある種の芸術であるとすら思う。
出てくる数字が大きな数字で計算が面倒になるというようなタイプではない。問題文をわざと難解にして読み取りにくくさせるというような問題でもない。今までに出てきた知識や原理が、どこに埋め込まれているのかが分からないような問題なのである。
だから答えや解説を見ると、すぐに理解できる場合が多い。
小学生がこれを解けるようになるために、塾に行かなければならないという現実はいろいろと問題があるのは承知している。ただ、単にできあがった問題は見事である。算数好きの大人が見ても熱中するであろう問題が並ぶ。
書店で売っている小学生用の問題集を見ると、応用編の問題集や難問集さらには入試対策の問題集が出ている。また、大人向けに難問として編集されている本もある。パズルのような感覚で解く人もいるのだろう。
こうした本をいくつか手に入れておく。
子どもたちの力を伸ばしていこうと思う時に、100点を目指しているだけでは、100点にならない。到達する時もあれば、そうでないときもある。不安定なのである。
100点を確実に取るためには、120点を目指しているくらいがちょうどいい。もう一歩高いレベルをクリアしようと努力をしているうちに、その手前のレベルは安定的に身につけることができる。
これはスポーツでも音楽でも同じようなことが言える。ゴールを少し高いところにもっていくと、世界が変わる。難度の高い挑戦をしていると、いつの間にかできることが増えていることに気づく。
算数の授業でも、ほんの少し高いところを見せるために、この難問を活用することがある。
問題集をそのまま使えば著作権にふれるので、教師が原理を理解したうえで修正した問題を準備する。著作権フリーであればそのまま使っていい。
今まで学習してきた内容は、こんな風な問題にもアレンジされるのかということを体験しておくのも、数学の世界を見る視野が広がるだろうと思っている。