一桁の加減乗除 その5
合格しない子どものもう一つのパターンが間違える子どもである
間違えるパターンも、同じ問題を繰り返し間違える場合と、実施するたびに間違える場所が違うパターンがある。
同じ問題を間違えている場合は、そもそも嘘を覚えてしまっている可能性が高い。特にかけ算で九九そのものが間違えている。
足し算や引き算の場合は、自分流の繰り上げや繰り下げを行っているうちに手順が間違ってしまっているということがある。
間違いがあった場合は、プリントの裏にでも、式+答え(4×7=28など)を3回から5回書き、さらに3回から5回唱えさせる。
再テストの時に、自分が前回どこを間違えたか意識しながら解いていくことを説明しておく。
間違えて覚えている答えを見つけるのに、この計算テストの実施は役に立つ。
ある子どもが「4×7=26」と間違って記憶をしていたとする。この記憶まちがいを筆算の練習を繰り返していく中で見つけるのは無理である。
膨大な筆算の練習を行っても「4×7」が出てくる回数はそれほど多くない。出てきた時だけ答えを間違える。そう何回も出てくるわけではないので、その筆算のどこを間違えているのかを分析する余裕はない。多分計算ミスだろう、というようなあいまいな処理でおわってしまう。
そして、次に「4×7」が出てくるまで、何も変わらない。久しぶりに出てきたときには
再び間違える。そして、その時にも覚えまちがいをしていることに気づかないままになる。
おそらくはこうした子どもたちの実態は、一定数いるのだろうと推定できる。
だから全員に一度フィルターをかけるつもりで、一桁の加減乗除の計算を確かめていくのである。
やってみると分かるのだが、引き算の定着が、他の3つに比べ突出して低い。これはどの学年でも同じである。かけ算の方がはるかに正答率は高いし、割り算よりも低い。そして、引き算は、他の3つよりも合格率の上昇も速くない。
時間がかかるのである。いろいろと原因は考えてみたが、はっきりした解決の方法はない。
繰り返し練習していけば、一定の成果は出てくるので、こつこつと繰り返していくしか今のところ方法はない。