残業手当の代わりについている、例の4%を10パーセントに上げるという話。
試算をしてみる。
ちなみにこれは基本給に対する比率だから、明細書で言えば(多分全国どこでも同じだろうが)左上あたりに書いてある基本となる「給料」から計算する。
この基本給を仮に30万円とする。
4%なら 30万円× 4%=1万2000円
↓
10%なら 30万円×10%=3万円
つまり、1万8000円の「昇給」となる。(6%昇給と考えても同じ答え)
この基本給が40万円まであがれば
4% → 10%
1万6000円 4万円
つまり、2万4000円の「昇給」となる。
ご自身の給与明細からぜひともどのくらい上がるのかを計算していただければ、と思う。
確かに昇給はうれしいし、ありがたい。
しかし、若い時は基本給が低いから、その恩恵も上記ほどにはならない。
基本給の設定はきっと地方自治体によって異なるだろう。
私の場合、基本給が40万円に上がったのは48歳ごろだった。
給与明細をずっと保管していたので見返してみた。
問題は、管理職である。
実は、管理職にはこの4%の教職調整額は付いていない。
管理職手当があるからだ。
教頭になったとき、管理職手当分だけ給料が増えるのかと思ったが、実はそうではなかった。
しかも管理職手当は、学校規模によって給料に差がある。
一定の規模以上になると同じ管理職でも、手当が上がる。
反対にいえば、一定の規模以下だと、手当は低いことになる。
さらにいえば、二人教頭制の場合は、一人の時よりも管理職手当は若干下がる。
私が教頭をしていた時の基本給と管理職手当を比べて試算してみた。
もし教職調整手当が10%に上がった場合、管理職手当との差はわずかに4000円だった。
繰り返すと、教諭のままと、教頭になったときでは給料の差が4000円なのだ。
(念のためだが、管理職手当の金額もきっと地方によって違う。)
これ、教頭先生の心が折れませんかね。
この事実を現場が知ったときに、教頭職を目指す人はどんな気持ちになるのだろうかと思う。
子どもの前に立つことを目指してこの仕事に就き、それでもいろんなご縁もあり、志もあって
管理職を目指す人がこれまでもいた。
激務を消化する代わりに、せめてもの代替としての管理職手当である。
しかし、それが事実上ゼロである。
行政は「そんな給与体系でも、やる気のある人にやってほしい」というのだろうか。
教頭の激務はやった人しか分からない。
知らない人が、世間にも現場にも多いので、あえて声を大にして言う。
学級担任も大変だと言われているが、教頭はさらに大変である。
今、この人手不足の中で、担任代替をしている教頭もいると聞く。
使命感を持って職に臨む、という言葉は本人が言うべき言葉であって
組織の上が給料の代わりとして言うべき言葉ではないと思っている。