今、学校教育の中でいじめや不登校などのさまざまな問題が出てきています。
現場での懸命な対応にも関わらず、その問題に根本的な解決方法が見つけられていないのが現状ではないでしょうか。教師の精神的・体力的な負担は増すばかりです。
私は、この原因について、今まで当たり前と考えられてきた学級経営そのものに制度疲労が出ているためと考えています。
一度、全てをゼロから考え直して創りなおしていく作業が必要です。
その基本となる視点が「学級ネットワーク論」です。
学級を一つのネットワークだと考えるところから出発し、さまざまなルールやシステムを再検討していく試みを行っていきます。
発想を少し変えていくだけで、今までとは違った風景が見えてくると思います。
これからの時代に適合する学級の理論と実践を提案します。
現在、関連のコンテンツを続々とアップしています。ご期待ください。
<新版目次>コンテンツをアップし、これまでアップしたものと同じくリンクをはっていきます。
はじめに
学校生活における新しい人間関係論
第1章 「箱」からの脱出
そもそも学級は「集団」「組織」なのか
学級は「組織」より「社会」と呼ぶ方が近い
教室という「箱」の存在が教師の思考を縛ってきた
「箱」をはずすと学級は「ネットワーク」に見える
第2章 学級の見方が変わる「ネットワーク」論
ネットワークは人類が生きるための固有の能力
ネットワーク理論の基礎1「ノード(点)」「リンク(線)」
ネットワーク理論の基礎2「強いつながり」「弱いつながり」
現代社会のネットワークは多様な層で成立している
学級とは広大な人間関係ネットワークの一部
「箱」の中の異端はネットワークで人材となる
第3章 黄金の三日間をネットワーク理論で解明する
学級の「初期化」 高ストレスと情報収集
学級ネットワークで最も強い存在
「初期化」だからこそ教師がリードできる
指導できることはネットワークのクオリティ
学級経営とは絶えざるネットワーク構築の過程である
誤解される黄金の三日間 係活動は二日目に決めるな
第4章 新しい学級経営像
学級を維持するのは秩序ではなくリスペクト
統率ではなくリンク
学級編成で生じる「化学反応」
教師もネットワークの中にいる 無自覚の恐ろしさ
「箱」の中の理想の限界 ドラマは現実にはない
☆話せること、話せないこと
☆学級ルールの原則
☆個と個の「関係」を見る
学級目標はいらない
「みんな仲良く」からの解放
「みんなで遊ぶ日」はいらない
「ちょっと変わった子」という価値観
リーダー像の大変革 猿山のボスの消滅
連帯責任は古すぎる学級経営
多様な価値観が多様なネットワークを形成する
同じことをしなくていい 異質であることの方がおもしろい
リンクは均質でない むしろばらばらだからおもしろい
つながりとは「あなたの心に私の居場所があるのか」ということ
見るべきはノードではなくリンク 個を単独で分析しない
未来社会の人間関係を学級でモデル化する
第5章 学級ネットワーク形成の手順
初期化段階で唯一のハブは教師である
教師は授業(フォーマルな場)で指導をする 感情に左右されない 教師ができるコントロール
教師の心の中に自分はいるか 2023,05,08 新着
リンク形成はまずは二人から(単純接触効果を生かす)
隣同士というネットワークを育む技術
「弱いつながり」を幾層にもつくる 多様の価値観をフルに活用する
必要なのはルールではなくリスペクトを基盤としたマナー 学級における「リスペクト」の価値
異質であることが存在感になる
☆席替えとは小さな初期化 2023,04,19
☆学級内でのネットワーク強化の方法
☆「交流活動」とネットワーク
トラブルの原因は「異質」ではなく「リンク」
孤立する三人組をどう解放するか
交流学習の有効性と効果的な仕組み方
討論的な学習の効果
全ての子どもに存在感と達成感を
第6章 いじめ問題とネットワーク論
「箱」型学級経営の産んだ鬼っ子
異端を拒むホルモンの作用
問題が起こるたびに凝集性を高めるのは逆効果 異端が一層浮く
おとなしく育てることが理に適う社会への変貌
「箱」型に収めるほどに同調圧力を高める
第7章 逆風を覚悟で未来への提言
教師に「箱」型学級経営をさせているのは誰か
学校から始まり学校へ逆輸入された「箱型」組織論
それは社会主義の残影でもある
不登校がどう見えてくるか 建物という「箱」からの脱出
インターネットは人間社会の見える化に過ぎない
ICT教育の精神的基盤
第8章 子どもへの言葉
みんなと仲良くなる必要はない
勇気ある孤独
三人組で固まる子どもたち
心の貯金
ノブレス・オブリージュ
おわりに
「箱型」の呪縛を解くのは難しい しかし未来はそこにしかない