人間は遠い未来のことはあまり考えない。考えたとしても、漠然とした期待感でやり過ごすことがある。反対に近くなってくると現実を思い出し、悲しい気持ちが生まれてくる。
水泳も同じである。
いよいよ学習が近づいてから、がんばろうと言っても、もはや苦手な子どもたちの心の中は、悲しい気持ちでいっぱいである そこで手を打つのは5月からである。まだ水泳など遠い未来の話に思えるときから、話をしておく。
6月〇日から水泳の学習が始まります。
水泳が好きだなあ、楽しみだなあと思っている人もいれば、いやだなあと思ってる人もいるでしょう。
ちなみにもう25mを泳げる人はどのくらいいますか。(挙手させる)
(この時期に聞いてもあまり劣等感は刺激しない。誰も見ていないからである。)
今泳げなくてもいいんですよ。先生が、今よりも必ず上手にしてあげます。
代わりに条件があります。
水泳の学習が始まったら、なるべく見学しないでください。いくら、先生が教え方が上手でも、見学している人を泳がせることは無理です。
本当に具合が悪いのであれば、もちろん見学です。
でも、嫌だからいろいろ理由を付けて見学するのは無しにしてください。
小学校の水泳の時間はとても短いです。一回一回が勝負ですから、見学しないでください。
もう一つお願いがあります。
もし顔を水につけられない人がいたら、今から練習しておいてください。
水泳が始まってから顔を付ける練習をしてもいいのですが、それから先も練習が続くので時間が足りなくなります。
本当にできない人がいたら、こっそり先生に相談してください。簡単な方法を教えてあげます。すぐにできるようになります。
・・と子どもたちにも伝え、同様のことを学級通信にも書いておく。家族からも相談があればいつでも受け付けられるように、である。
5月に話せば、苦手な子どもも遠い未来のことなので期待感だけで聞くことができる。
水泳指導 準備シリーズ 学年全員の指導をターゲットにします
01 泳げることの向こう
02 指導は5月に始まる
03 指導の全体像
04 子どもたちのエピソード
05 指導の系統
水泳指導 浮きの指導シリーズ 苦手な子どもたちはここからていねいに指導します
06 顔を水につける
07 もぐる
08 浮く指導
09 浮く指導の小さなステップ
10 ふし浮き
11 けのび
12 けのび微細な指導
水泳指導 息つぎの指導シリーズ 25m完泳しない大半の理由はここにあります
13 息つぎ
14 ボビング
15 連続したボビング
16 浮きと呼吸の連動
17 浮きと息つぎの発展
水泳指導 ストロークとキックの指導シリーズ 協応動作という考えを水泳にも取り入れます
18 キックとストローク
19 ストロークどこを見るか
20 腕に水の抵抗を感じるか
21 キックの練習
22 キックとストロークの連動
23 ブレスをいれた泳ぎ
24 クロールのブレス
水泳指導 目標の25mへの指導シリーズ いよいよゴールへ向けて詰めの指導です
25 完泳への力を蓄える
26 目標25mへ
27 完泳までの道のり
28 酸素摂取能力
水泳指導 まとめシリーズ 学校全体で指導ができると負担軽減・効果倍増なのです
29 保護者への話
30 全校での指導
31 全校での指導系統案