給食指導 おかわりの指導

教育技術シリーズ

 すべてをつぎ切った後に減らしに来る子どもがいる。その子どもたちが減らした量が、お代わりの分になる。
 お代わりは、教師がする。しかし、しばらく時間が経過してからする。

 食べ始めて5分から10分くらい経って
「〇〇が残っています。食べたい人?」
と聞いて挙手でおよその人数を確認する。残った量と案分して、つぐ量を決める。
 5人手が挙がれば、5等分できるようにすればいい。

 食べ終わった人からおかわりしていいことにすると、メニューによっては競争になる。
 本来ならば、一度はつぎ切っているのだから、それが一人分である。それ以上は「おまけ」であり、本来はなくて当たり前なのである。

 それを競争で勝ち取らせるのはマナーが悪い上に、給食のルールがそのマナーの悪さを誘発している。ある程度食べて、その段階でまだ食べたい子どもたちに均等に分ける。
 一つ条件があるのは、その段階ですでに食べ終わっていることである。食べ終わっていないのにおかわりを許すと「とりあえずおかわり」にやってきて、結局残す子どもが出てくる。
 子どもたちはまだ自分の食べる量が分かっているわけではない。

 事前予告して「〇分になったらおかわりをします。」と伝えておくので、どうしても食べたい子は自分で間に合わせることもある。
「おかわりしたい人はいらっしゃい。」
と時間になったら指示をする。

 みんな食べられるので、落ち着いて取りに来る。これでほとんど完食する。つぎ切れないほど残ることがたまにあるが、その時は二次募集をかける。それでも残る場合は、私が食べることもあるし、さらにだめなら残せばいい。今までほぼ完食だった。

 そもそも慣れてくるとみんな減らさなくなるのが一番の理由である。

 低学年の場合や珍しいメニューの場合には、先に一度減らしたけれど、実は食べられたという人を優先にお代わりをすることもある。
 中には「いいなあ」という大食漢もいるが、もともと自分の分だったものを戻すだけだと説明すると、思いだして納得する。

 これで食べる自信がつく子どももいる。(低学年は「今日はおかわりまでした!」という場合もある。かわいい。)

 固形のものはじゃんけん。
 人数が多い場合は牛乳とプリンの二つがあっても一択でじゃんけんに参加する。
 ちなみにおかずを減らしても、デザートのじゃんけんには参加させている。子どもには別物であるし、減らしたことに罰を与えるような印象をもたせなくていい。

給食指導ラインナップ
 給食指導 コンセプト設定 
 給食指導 時短から始める
 給食指導 時短の思想を学ぶ
 給食指導 配膳のコツ
 給食指導 セルフサービスの意味
 給食指導 おかずをつぎ切る
 給食指導 完食よりマナー
 給食指導 食べ方基礎知識
 給食指導 食べ方の指導(高学年)
 給食指導 食べ方の指導(低学年)
 給食指導 おかわりの指導
 給食指導 微細だが重要な食べ方の指導
 給食指導 知的に指導する
 給食指導 後片付けその他
 給食指導 給食週間と完食指導

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