挙手に依存しない授業づくり 2

教育技術シリーズ

前号「挙手に依存しない授業づくり 1」の続き

<ランダムな指名>

 列指名になれてくると、次は教師がランダムに指名する方法を取り入れる。
 授業中に教師がランダムに指名することで、緊張感を生み出すことができる。
 ランダム指名はさまざまなバリエーションを生み出すことができる。

 ある子どもが発言をした直後に、別の子どもを指名し「今の〇〇君の意見をもう一度言ってみてください。」と問う。
 聞いていたかどうかを確認するための方法である。

 列指名の途中で、突然に違う列の子どもを指名する。
 列で発表していると、他の列の子どもが少し油断しやすい状況になる。時折、違う列の子どもを突然に指名することで、「先生はそういう指名もするのか」と子どもたちに伝え、緊張感を維持する。

 全員音読と指名音読を混ぜる。
 算数の文章題や、国語の教材などを音読するときに使える。

「問題文を全員で読みましょう。さんはい。」(子ども全員で読む。)
(読み終わると同時に)
「〇〇君、同じところを一人で読んで。」(その子が読む。)
「〇〇さん、読んで。」(指名された子が読む。)
「今の二人のような声で読みましょう。全員で、さんはい。」
 というように織り交ぜることで、テンポよく指名できる。

 大切なことは、教師が授業の中で、多用することである。
 子どもたちが「授業とはそういうものだ」と慣れることで、挙手をしなくても指名に対応できるようになる。

 音読のような言うべきことが分かっている場合は、子どもたちもレスポンスがすぐにできるだろう。
 しかし、中には答えられない場合も出てくる。

 明らかに聞いていないと分かっている子どもに、あえて指名することもある。
 その時は、立たせている状態のままで、すぐに別の子どもを指名する。そして、その子が答えたら、立ったままの子どもを再度指名し、同じ問いをする。
 立っている子どもも、同じことを言えばいいだけにする。
 こうすれば、言えなかった子どももすぐに発言して、座ることができる。時間にして30秒もない。教師も特に叱りもしない。それで十分である。

 本当に分からないときは、「分からない」と言えばいいことを指導するのは言うまでもないことであるが。

 授業における挙手の活用例

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