学年主任1 先の見通しが第一の仕事

学校システム

学年主任の仕事とは

 一言で言えば、学年主任の仕事とは、先を見通すことと言える。
 先を見通した上で、目標を設定し、仕事の段取りを決めることができれば、学年主任としての仕事の8割くらいは終わっているのではないだろうか。

 若手教育の育成などが、仕事の中に含まれるこ もあるようだが、仕事の段取りができて、学年に仕事の分担がなされ、それぞれが持ち分をこなせるようになれば、育成も自動的に行われるだろう。
 お説教めいたことを話して、言葉で説明するよりも仕事を通して示していく方がはるかに速いし、説得力もある。

 中に、学年主任になれば自分と足並みをそろえさせることに第一義を置く人がいる。学級王国が覇権主義によって学年帝国への変貌していく。(参照「学年帝国」
 そんなことのために学年主任がいるわけではない。足並みをそろえることの意味は、そろそろ学校現場で真剣に考えた方がい。職場全体の活力を奪い、加えて時間も奪っている状況である。

 先を見通すと言う点では、まず3月末の状態のイメージが描けることから始める。
 中でも学力と子ども同士の人間関係において、具体性が必要である。

 同時に、子どもの理想の姿だけを描いていても、まさに「絵に描いた餅」である。
 「3月までに都道府県を全部覚えさせたいから、〇〇をしていこう。」というような教師が何をするのかという目標が必要である。

 これに連動するように、評価基準のイメージが今のうちにあるといい。
 成績処理をするための評価基準があれば、授業において何が必要で、何が不必要なのかが四月の始めからイメージできる。
 各教科の第一単元で、何をなすべきかもここから逆算する。

 次が行事である。
 行事は最低でも3か月前に、イメージの原型と当日までのタイムテーブルが必要である。
 仮に運動会を5月末に行うのであれば、もう4月の始業式前に学年で一度は話題にしておかないと間に合わない。

 この一連の流れは、別途項を起こして論じていく。

 最後が時数である。
 時数をコントロールしながら、授業を組み立てることができる教師は、実はかなり少ないというのが実感である。
 そもそも指導要領に示された基本の時数すら知らない人がいるくらいである。
 例えば高学年の国語は175時間である。
 学校の年間計画がそれより少ないことはないだろうが、仮に多く設定してあれば、そこに余裕時数が織り込み済みの可能性がある。

 余裕時数がどのくらいあるかを把握して、単元に配置していく。
(これもやり方があるが、長くなるので項を別に起こす。)

 学年主任は、学年メンバーに時数配置を強制する必要はない。必ず自分と同じにやれとは言えないだろう。しかし、学年メンバーも自己管理できるようにならなければいけない。
 それができなければ、主任と同じ時数配分で進めていくしかない。

 時数は、お金の計算と同じである。
 現在いくら残っていて、これからいくら使うのかが分からないままでは、貯金も何もあったものではない。
 時数の計算は、教師の仕事を自立させ、自己制御させるための必要条件である。

学年主任シリーズ 意外に語られてこなかったことに独断と偏見で切り込みます
01 先の見通しが第一の仕事
02 勤務時間は厳守!
03 やってはいけない打ち合わせ
04 チームでの合意形成の方法
05 初任者の教室を1000回見た
06 高段の芸「評価基準」
07 新しいことに挑戦しよう
08 時数計算は決して粗末にしない
09 そろえることより説明責任
10 仕事の任せ方

学校システム論index

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