係活動はいつ決めるか
「黄金の三日間」の実践事例の中に、係や当番は二日目、あるいは三日目に決めてしまおうという提案がなされることが多い。
給食当番や掃除分担、あるいは学級の仕事をする一人一役などは早めに担当や分担方法を決めて、機能させた方がいいだろう。
(ただし、私は一人一役ついては別の考えを持っている。別に論じていきたい。)
係活動の中でも、自主性を基盤として学級を楽しくするレクレーション係のような場合は、二日目に決める必要はない。
むしろ遅い方がいいとすら思っている。
私は大型連休の後、五月の上旬に決めるようになっていったと記憶している。
これまでも述べてきたように、新年度の学級は、これまでの人間関係を意図的に断ち切られた不安定な状態にあるのだ。
誰がどんな人なのかもよく分かっていない。どのような係活動がみんなを楽しませるのか、そもそも相手のことが分からないままで決めることになる。
学級担任の先生はどんな人かも、よく分かっていない。あれがやりたい、これがやりたいと言っても賛成してくれないかもしれない、という不安もある。
そういう緊張と不安の状況にあって、みんなを楽しませることを第一義として自由に考えなさいと言う方が無理がないだろうか。
読者諸氏は、異動したばかりの赴任先で、職員レクレーションの担当を引き受けることになったら困らないだろうか。
企画が外れることのおそろしさが先に立たないだろうか。
子どもも同じである。
もっとネットワークが広がり、それぞれの子どもたちのつながりが多様化、安定化してきてからでも遅くはない。
それよりも、学習技能の習得や、学習におけるネットワーク形成に力を入れる方が、長い目で見たときにはるかに優先度が高い。
何でも速ければいいというものでもない。
学級ネットワーク論の理論と実践 indexへ戻る