卒業式「姿勢の話」など

子どもへの言葉

 「姿勢」という字は「姿」と「勢い」と書きます。
 「姿」は知っている通り、見た目のことをいいます。「勢い」とは心のありようのことです。

 つまり「姿勢をよくする」とは、見た目をよくするだけでなく、心の中はどうですか、という意味なのです。
 人は緊張すると、それが姿に出てきます。

 例えば入場してくるときに、緊張すると自然に前の人との距離が縮まります。人は不安になると別の人に近づきたくなるのです。それが無意識のうちに距離縮めてしまうのです。
 また、緊張すると目線がうろうろするか、あるいは下を向いたままになります。

 だから、ただ歩いてもらうだけで、心の中がある程度見えてきます。

 緊張すると、つい手を組みたくなります。これも見られているプレッシャーから自分を守ろうとする防御の姿勢なのです。
 最近の服装では、袖の中に手をすっぽりと隠してしまうようなものがあります。あれも同じです。服装で自分を隠そうとする無意識の表れです。
 座っているときに足がぶらぶらと動くのは「暇だなあ」という気持ちの表れだったりします。上半身はごまかせても、足に本心が出てしまうのです。卒業式で言えば、受け取った証書をちょこちょこ触ったりするのも同じです。

 ではどうしたらいいのでしょうか。

 実は姿に心が表れてしまうと言いましたが、反対もあるのです。行動を変えることで自分の気持ちを変えてしまうこともできるのです。
 入場するときに、自分は距離を詰めていないかな、目線が落ちていないかなと、考えるのです。そして自分の動きに意識を向けるのです。

 そうやって動いていくうちに気持ちの方が変化していくのです。

<補足>

 子どもをロボットにしない、卒業式の練習ではそれを心がけている。

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