(突然、一人の子どもを呼んで、耳打ちをする。)
「このクラスで、赤い服を着ている人は何人いますか。」
(耳打ちされた子どもは、友だちを見まわして数える。)
「こっそり先生に教えてください。」
(その子も耳打ちして〇人、と教えてくれる。)
(教えてもらったら、笑顔でOKサインでもして返事する。)
「さて、みなさん今、〇〇さんと二人で話をしましたが、みなさんはどんな気持ちがしましたか。」
(意見を聞いてみる。肯定的な意見を述べる人はあまりいない。)
「そうですね、あまりいい気はしなかったと思います。
〇〇さん、先生はなんと君に話したか、みんなに教えてあげてください。」
子ども「このクラスで、赤い服を着た人は何人いますか、です。」
「それで数えてくれて、先生に教えてくれたのですよね。」
「話の中身は実はたいした内容ではありません。しかし、ひそひそ話をしているということが周りの人にはいい気持ちをおこさせないのです。
なぜなら、赤い服を着ている人を聞くだけなのに、なぜほかの人に聞かれてはいけないのか、何か悪い考えがあるのではないかと想像させてしまうからです。
だって、何もなければ大きな声で聞けばいいだけですからね。」
「これがけんかの原因になることが、よくあります。ひそひそ話をしている姿を、他の人が良く思わずにいて、口げんかになる、というパターンです。ひそひそ話をしている人は、大した話をしていたわけでもないのに、なぜ友だちから文句を言われるのか、と腹を立てます。
見ていた方が、疑いの心をもっていい気がしません。」