地元では、最低週に1回の定時退勤日を決めて実施するようになっている。
「定時退勤」とは言っても、学校独自で決めた時刻でいいので、勤務終了は17時でも一斉退勤は18時までに完了することなどと、ローカルルールを決めていた。
しかし、この週1回の一斉退勤日ですら、機能しない学校が山のようにある。
管理職が強く言わない学校もある。
管理職世代は、超勤が普通だったりしているから、心の奥で「仕方がない」と思っているか、あるいは「教師とは(超勤を)かくあるべきなり」と思っているか分からないが、ともかく言わない学校は意外に多い。
逆に担任教師の方が、帰らない場合もある。
仮に、今まで毎日7時に帰っていた教師が、ある日だけ6時に帰らなければならないとしたら、その差は1時間でである。
一週間の中で1時間の仕事の圧縮をしましょうという話だ。
では、その教師が毎日絶対に7時まで仕事をしているかというと、自分の都合で早く帰ることはある。(もちろん、あっていい。)
これは、厳格なタイムスケジュールの中で仕事が処理されているというよりは、毎日の習慣に近いものがある。
給料と仕事が分離するこの仕事において、仕事は自分のペースでなされる面がかなりある。どうせ給料に関係ないのだから、自由だと思っている。担任も管理職も。
だから仕事を延長されることが嫌いなのと同じくらいに、早く帰れと言われるのも嫌いな人が多い。ペースを乱されるのが嫌いなのだ。
一週間で1時間だけ仕事を圧縮することは、決して難しいことではない。前後の日に30分ずつ振り分けることも可能だろうし、隙間時間を使って、仕事を詰めていくこともできる。
いっそのこと何かの仕事を切ってしまうのも方法です。
このシステムが、教師の働き方改革を劇的に推進する方法だとは、全く思っていない。
しかし、新任の頃から遅くまで残ることが常態化してしまう若い教師に、早いうちから退勤し、空いた時間を有効に使うような感覚を体験させることは、とても重要である。
新任教師は、どうしても仕事が捌けず帰りが遅くなる。しかし、2年目、3年目となれば仕事の段取りは確実によくなるのに、習慣で遅くまで仕事をしていることがある。その習慣を断ち切るのである。
「1時間の圧縮」という小さな一歩から始めようという発想の転換に使えれば、意味のあるシステムになると思っている。