消防や警察、病院などは24時間体制で仕事が進められている。多くのコンビニも同じである。365日休日もない。
それが可能なのは、シフトを組んで交代制をとっているからだ。一人の人間が24時間働いているわけではない。
これに対して、学校には交代制はない。昼から担当してくれる別の教師はいない。朝、子どもが登校する前から、夜遅くまで担任は一貫して一人の教師だけである。
以前は、保護者からクレームがあった場合、その対応で遅くまで残ることは当然の仕事だと思われていた。(今もなくなったとは思っていないが。)
保護者から電話があったので、直接会って話そうとすると、仕事でまだ帰ってきてないという返事がしばしばあった。
そこで、教師はどうするかというと保護者の帰宅まで待っておく、ということが「通常ルール」となっていた。今もそういうルールになっているところも多いかもしれない。
シフト制による24時間勤務の職種でないのに、時間外の対応を強いられる仕事は珍しいのではないだろうか。
パン屋で買ったパンが仮に腐っていたとしても、電話をして夜分に出てきて謝罪しろとは言わないだろうと思うのだが。
夕方になっても、教師が学校に残っていることは世間も広く認めるところである。だから、電話をすれば対応してもらえると思わせたところに、問題があったのかもしれない。それは教師個人の問題ではなく、学校教育を取り巻く文化の問題である。
残業手当をくれるわけでもない管理職も、親が帰ってくるまで待っておくようにと指導をしていたことも普通にあった。勤務時間という概念はそこに存在していない。
私も酔った父親のクレームを聞きに、9時ごろ学校に出向いたこともある。
最近、学校の電話が自動で留守番機能に変わるようになったところが増えている。地元で言えば午後6時から翌朝の午前7時半までは、電話の受付をしなくていいようになっている。
これだけでも画期的なシステムだと思っている。
しかし、このシステムはこちらから電話をかけることは可能なのである。だから、せっかくのシステムなのに、あえて遅い時間にこちらからかけるという手段に出る教師もいる。
かくして自ら超勤の道を選ぶことになってしまっている。