小学校では市販テストを使うところが多いだろう。
あのテストは、教師の指導で簡単に点数が上がる。平均点が90点程度が、学級の日常になる。
テストの点数の話をすると、点数が全てではないという人が出てくる。
その通り、テストの点数が全てではない。しかし、おそらく解釈は正反対である。小学校のテストの内容は実はそれほど難しくはない。点数が取れないのは、阻害要因を放置しているからである。
単元の学習を終えた後であれば、テストに示された問いに答えられるくらいの力を身につけておかなければ、それから先には進めない。今、「主体的・対話的で深い学び」と言われているが、そこで求められているものは、テストの点数を取ることよりもはるかに難度が高い。
国語のテストの内容は、大半が書かれてあることから、問われていることを抜き出すような問題ばかりである。正確に読めているかを見ている。
書かれてあることを正確に読めていないのに、登場人物の心情など行間を読むことができるわけがないはずだ。
テストの点数が全てではない。テストの点数を取ることは、通過点に過ぎないのである。
漢字のテストは、日本中どこでもやっているだろう。
この漢字テストも同じである。漢字の学習は、テストの点数を取るためにやっているのではない。日常生活において漢字を使いこなせるようにするための、ほんの初歩的なステップにすぎない。
後に詳しく述べていくが、日常生活で使いこなすことが目標であると考えたら、テストの見え方も変わってくる。
漢字だけでなく、市販テスト全体の点数が上がると子どもたちもやる気が高まる。百の言葉の励ましよりも、1回のテストで満点を取ることの方がはるかに説得力がある。
子どもたちも、自分は勉強が得意になったと思う。
そう思えるようになれば、また次の勉強にもすすんで取り組むようになる。
保護者ももちろん喜ぶ。
(そのためにやっているわけではないが)担任への信頼も高まる。
学級全体の点数が上がるということは、教師の指導力なのだということくらいは、保護者から見てもすぐに分かる。
子どもたちは、この紙一枚で自分たちが評価されていることを知っている。
実は、点数を上げることは想像以上に簡単なのに、点数が取れないままでいる。点数が取れないことで自己を卑下している。
実は、テストで点数が取れていないのは、勉強が分かっていないことが原因ではないことが多い。
いわゆる「テストのルール」が分かっていないために、点数になっていないのだ。
子どもたちにていねいに指導を重ねていけば、あっという間に点数は上がっていく。
所詮、テスト「ごとき」もの、という程度である。子どもたちにはさっさとクリアさせよう。
テストの指導ラインナップ
市販テストの点数を上げる
テストに対する教師のメンタルブロック
漢字のテストの目的は何だったのか
小学生のテストは教材そのものである
テストはまず問題文を読ませる
テストの解き方・最低限の知識
テスト実施方法
テスト採点方法
テスト保管方法
テストで名前と文字の指導
国語のテストの解き方1 見つける
国語のテストの解き方2 読む習慣
国語のテストの解き方3 問いに対応
国語のテストの解き方4 言語の問題
社会のテストの解き方
算数のテストの解き方1 ミスとの闘いに勝つ
算数のテストの解き方2 過程を書かせる
算数のテストの解き方3 見直しの仕方を教える
算数のテストの解き方4 裏面は授業の反映
理科のテストの解き方
テストの平均点 数字から子どもを見る方法