子どもたちには、読書の習慣と笑顔は人生の宝だから大切にしなさいと、話している。
本を読む習慣があるだけで、どれだけの世界が広がるだろうか。人が一生の間に直接経験できることの量は限られている。本は、その限界を空間的にも時間的にも広げてくれる。
どれだけネットが発達しようとも読書の習慣の大切さが損なわれることはないだろう。
図書の本を借りる習慣は、読書の習慣とは別に存在する。本を読むからと言って、図書館を活用できているかは別問題である。
そして、図書館を使う習慣(マナーも含めて)を指導できるのは学校が最適であろうと思っている。
4年生以上ならこんな話ができる。
学校の図書館には、どのくらいの本があると思いますか。(予想させる。)
およそ1万2千冊あるそうです。(学校によるので調べる)
君たちが学校に来る日は、1年間でおよそ200日くらいです。6年間でだいたい1200日くらいになります。
つまり、学校の図書館の本を全部読もうと思ったら、1年生で入学してから毎日、いいですか、毎日ですよ。10冊ずつ読み終わって、卒業までにぎりぎり間に合うくらいです。
もうすでに間に合いませんよね。これまで10冊ずつも読めていないでしょうから。
読めていなくていいのですよ。それだけたくさんの本が学校にはあるということです。
君たちが小学校にいる間に読み切れないほどのたくさんの本が、こんなに身近にあるということがすばらしいことです。
図書で本を借りるということで、ものすごくいいことがあります。何だと思いますか。
それはただで本が読めるということです。これだけの本を買おうと思ったら、お金がいくらあっても足りません。せっかく買ったのに、おもしろくなかったらとても残念な気持ちになりますよね。
図書の本なら、今まで読んだことのない本でも試しに読んでみることができます。一度借りてみて、どうしても合わなかったら返せばいいのです。
読み始めてすぐにあきらめるのは、もったいないので、30ページくらいは我慢して読んでみると意外に面白くなることもあります。それでもだめなら返せばいいのです。
時には読む本のジャンルなどを指定することもあるだろうが、自由に好きな本に手を伸ばすことができる最大のチャンスは学校図書館ではないだろうか。
まずは子どもたちにこの「自由の享受」を実感してもらいたい。
読書指導ラインナップ
本好きにするための指導群
01 図書館は宝の山
02 偶然の出会いを待つために
03 初日の指導は図書館探検
04 図書館利用マナーを教える
05 高学年でも貸し出しは増える
06 読書感想文は書かせない
07 読書量の目安はどのくらい?
08 学級文庫は必要か?
09 読解力と読書は直近では無関係
10 国語教育と読書は別物として考える
11 子どもの目の動きを読む
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