まだ子どもたちがざわついているときに、話を切り出す方法。
指示1 「先生の声が聞こえたら手を挙げて」
(特に大きな声でなく、いつも話している声の大きさでいい。)
数名が手を挙げるだろう。
指示2 「よく聞こえていたね、2回目。先生の声が聞こえたら手を挙げて。」
(先と同じ声の大きさ、同じ口調で言う。)
さらに人数が増えるだろう。
指示3 「3回目。先生の声が聞こえたら手を挙げて。」
(指示2と同じ。淡々と繰り返す。)
人数が増えるだろう。やがてほぼ大多数が手を挙げるようになる。なるまで繰り返す。
指示4 「先生の声が聞こえたら、チョキを挙げて。」
(変化を出し、惰性になっていないかを確認する。)
きちんとチョキを出している子をほめてもいいが、全体のリズムを壊さない。
指示5 「先生の声が聞こえたら、腰骨を立てて。」
あるいは「目を合わせて」でもいい。本当に話し出す直前の指示である。
指示6 「お話しします」
ここまで30秒程度。
「お話をやめなさい。」というような禁止の指示を出したり、ましては叱ったりする必要は、全くない。大きな声を出さなくてもいい。
この方法は、本来ならば静かにしていなければならないときに、ちょっとした空白の時間が生まれたせいで、子どもにざわつきが生じた場合などに有効である。
叱られているわけではないし、短く繰り返しているだけなので、子どもたちにもおかしな圧力はかからない。はじめから聞こえている子どもたちをほめるだけでいい。
学級で何度かやっていると、1回目か2回目でほぼ全員が話を聞くことができるようになり、スムーズに全体が進行する。