人間の記憶力が大きく伸びるときが2回あるそうです。それは何歳ぐらいだと思いますか。
一回目は生まれてから数年、赤ちゃんが言葉を覚えるときです。みんなももう覚えていないでしょうけれど、初めに言葉を覚えるのはものすごい勢いで覚えていくのです。
二回目は、ちょうど今頃です。
十代の前半、小学校4年生、5年生、6年生・・中学も入るでしょう。
この時期の記憶力もとても高いレベルです。それからだんだん落ちていくのです。
先生は、君たちより長く生きているので、それだけ覚えていることも多いですが、もし今から新しいことを覚えようとすると、君たちには全く歯が立ちません。
君たちにしてみれば「え、どうして覚えられないの?」と思うようなことでも、大人にはだんだん難しくなるのです。
そして、この時期に記憶したことは、ずっと残っています。学校の勉強だけでなく、好きな芸能人の歌や、テレビ番組、家族の旅行などなど。先生にも、小学校高学年の記憶というのはたくさん残っています。
君たちは勉強が嫌いだと思っている人もいるかもしれません。でも、今が一番記憶力が高い時です。それこそ無理してでも覚えておくのです。
後からでもずっと役に立ちます。歴史人物でも生き物のことでも英語の単語でもです。
今勉強しておくのが人生の中で、一番効率がいいとも言えますね。
<補足>
神経系の発達のピークはこの時期である。
体全体の神経のネットワークがほぼこの時期に完成する。だから、学習での記憶力も高いが、運動や芸術などの情報もどんどん取り入れていく。
(運動能力も神経系の配下にある。)
大人はすでに持っている知識で生きているが、新しいことを吸収する能力は、本当にうらやましい。