自ら退路を断つ

働き方改革

自ら退路を断つ

 教師という仕事は、その給料のあり方から自分で裁量せざるを得ない状況があることを述べてきた。
 (参照)
 まるで自主的に残業しているかのような錯覚に陥る状況ができている。

 その上、初任者研修制度の結果、(それはそれで必要なのだが、結果的に)
 新任の頃から「絶対に定時では仕事が間に合わない。教師とはそういうもの。」という生活習慣が身に付いてしまうようになっている。

 超勤がデフォルト(PCでいう初期設定)になってしまっている。

 新しい働き方を進めるために、教師自身にも新しい一歩が必要である。
 そこで、自ら退路を断つという方法を採る。

 新年度や、どこか切りのいいところで、学年あるいは話す必要がある上司や同僚に伝えておく。

「これからは、〇〇をすることになったので〇時には帰らなくてはいけない。」

 誤解を恐れずに言えば、中身は嘘でもいい。多少の誇張表現はあってもいい。
 もちろん趣味や独学などの理由があれば、それを伝えてもいい。
 理由を言いたくなければ「理由は言えないのですが」と言ってもいい。

 念のために言えば、そのような嘘や誇張表現がなくても、宣言できるならその方がいいに決まっている。ただ、努力目標にしてしまうと、いつのまに自分で守らなくなる。

 いずれにしても、自分で決めるだけではなく、他者に帰宅時間を宣言して退路を断つという荒療治である。これで週に1回、あるいは2回は必ず定時に退勤することを宣言してしまう。

 これは自分への宣言にもなる。宣言した日には退勤しなければならないから、そういう段取りを組まなければならなくなる。

 その日は朝から考えて行動が必要だろうし、一週間のスケジュールも予め検討しておかなければならない。

 我が子の保育園へのお迎えや病気の家族への対応などで、すでにやっている方も多いだろう。
 そうなのである。
 どうしてもやらなければならないときは、行動パターンがそのように確定してくる。

 これを先に自分で決めてしまうということである。

 決めてしまったうえで、自分自身をその枠にはめ込んでいく。他人に話してしまえば、むしろ帰っていないことがおかしくなるような状況を作ってしまう。

 自分の習慣を変えるためには、多少の荒療治も必要かもしれない。

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