この話は学習の合間にどこかで話すといいです。 4年生以上向け
人間はもともと得意なものに違いがあります。
漢字を一度で書いたら覚える人や、その反対に縦の棒と横の棒がごちゃごちゃになって分からなくなる人がいます。
本を読んでもすらすらと内容をイメージできる人もいれば、文字が頭に入らない人もいます。そういう人の中には耳で覚えることでカバーしたりするんです。反対に耳で聞いても少しも頭に入らない人もいます。
音楽を一度聴いたら自分で演奏できる人もいれば、音がずれていても分からない人もいます。絵を一度見たらそっくり同じ絵が描ける人もいれば、目の前で写しているのに、同じ絵にならないくらい分からない人もいます。
地図を一目見ただけで、どこに行けばいい人もいれば、地図を持って歩いても今どこに自分がいるか分からくなる人もいます。
運動が得意な人、苦手な人、調理が得意な人、苦手な人、本当にいろんな人がいます。
これは脳の特徴が人によって違うからなのです。
得意な分野が人によって違うようにできているのです。
人間は原始時代から、集団で生活をしてきました。集団で生活をするときに、みんなが同じところが得意で、同じところが苦手だと、何か問題が起きたり、困ったりしたことがあったときに、解決できなくなります。ある時にはこの人の力が必要、別の時にはこの人の力で助かる、というようにできるようになっているのです。
今でもそうです。音楽の得意な人が新しい音楽を生み出す人、建物の建設に向いている人、生物の研究に向いている人、歴史の研究を進める人、いろんな人がいるから世の中はいろんな方向に発展することができたのです。
自分は漢字が得意だからと言って、「なんでこんな簡単なことができんかねえ」なんて思ってはいけないのです。人にはそれぞれ違いがあるのですから。
この学級でも、同じように勉強はするけれども得意不得意はあっていい、いや、あるのが自然だと先生は思っています。
ただ、その違いをお互いがカバーしあって、伸ばしていければ、いい学級ができるようになるのです。これまで人間はそうやって発展してきたように、みんなが凸凹を埋めていくことで全体が成長できるようになるのです。