「教師の業務改善をして、負担を減らそう」
というスローガンに反対する人は、現場には一人もいないだろう。みんな大賛成はずだ。
しかし、思い描いているイメージは個人で少しずつ違ってくる。
「だから、仕事を放り出していいから、みんなで5時に帰ります。」
と言ってしまうと、いやいやちょっと待ってくださいなという人は必ず出てくる。
「みんな10時には帰りましょう。」
と言われたら、大多数は「すでにやっているよ」となる。改善が必要なのはごく一部の教師だけ。
「みんな9時には・・」
だったらどうだろうか。そして8時、7時と短くして行ったときに、現場の空気もさまざまに変化するだろう。
「会議は全廃します」
と言ったら、喜ぶ人もいれば「そうしたら誰がどうやって決めるんだ」と批判する人も出てくる。
学校行事も同じである。運動会をなくしてほしい人も、残したい人もいる。授業参観、学習発表会、研究授業、それぞれ思いがある。
個人的な感情で判断する人もいれば、学校の置かれている状況を考えて判断する人もいる。
そうなのだ。いざ議論を始めようとすると、総論は賛成でも各論はさまざまとなる。
これが、個人の仕事のスタイルに至っては、まさに千差万別となる。
一般論としては「教師はブラック化している」と言っている人でも、それを改善して本気で変える努力をしている人ばかりとは限ならい。
もっと言えば、遅くまで仕事をすることに意義や達成感を感じ、特に今のスタイルを変える必要はないと思っている人もいる。
さらには、時短など強制されると自分のやりたいことができないから、むしろ迷惑と思っている人すらいる。
そういう中で、現場の働き方改革は進めていくことになる。