高学年の場合、パンも初めから食べることや「ばっかり食べ」にならないこと、そして逆算して時間の見通しを立てることで、かなりの子どもが完食できるようになる。
今まで残してばかりいた子どもたちの中にも自分にびっくりする子どももいる。食べ方を知らなかっただけなのだ。
低学年は、もう少し手がいる。
1年生を担任していた時も同じような話をしていたが、聞いていることと実際の食事は全くと言っていいほどつながらない。
目の前で声をかけていかないと、変わらない。本当に意識していないのである。
だから1年生担任の時は、特に初期の段階では、ずっと子どもたちの周りをまわっていた。
ミニトマトが3個あるときは
「〇〇くん、今から1個食べて、全部は食べないよ。」
と順々に食べることを話す。
魚が出たときには
「ご飯と一緒にお魚も食べてごらん。」
と食べるのを確認する。
中には箸を上手に使えないで、取れない子どももいるのだ。この時は目の前で魚をほぐすの見せて、食べやすいようにしてあげる。
パンはちぎって適度な大きさを食べることを指摘する。
給食指導としてはやりすぎるという印象を持つかもしれない。しかし、残念ながら教師がここで教えなければ、子どもたちはこんな日常的なことを知らないままで大きくなっていくのである。
結果として、高学年になってもマナーが悪い子どもや、食べ方が悪いせいでいつも間に合わない子ども、食べず嫌いでおいしさに気づかないままの子どもなどがいるのである。
一年生の時に知っておくことで、これからどれだけ人生に有効かと思っている。
一年生の場合は減らしに来た時には、教師が減らす。何度がやっているうちに、その子がどのくらい食べられるか分かるようになる。
ある子どもには少しだけ減らす。それで満足する子どももいる。
別の子どもには、あと一口くらいしか残さないくらい減らす。もし、食べてみておいしかったら、またお代わりにきていいと伝えておく。
中には、本当にお代わりに来る子がいる。そして、「ぼく、大好きになったから、おかわりする。」と言ってくることもある。よろこんでおかわりをついであげればいい。
こんな程度のことで、子どもたちが楽しく、おいしく食事ができるようになるのであれば、実に簡単なことである。
給食指導ラインナップ(掲載しているものはコロナ対策前のものです。ご承知おきください。)
給食指導 時短から始める
給食指導 時短の思想
給食指導 配膳のコツ
給食指導 セルフサービスの意味
給食指導 おかずをつぎ切る
給食指導 完食よりマナー
給食指導 食べ方基礎知識
給食指導 食べ方の指導(高学年)
給食指導 食べ方の指導(低学年)
給食指導 おかわりの指導
給食指導 微細だが重要
給食指導 知的に指導する
給食指導 後片付けその他
給食指導 給食週間と完食指導
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