給食指導 セルフサービスの意味

教育技術シリーズ

 おかずをつぐ以外のことは、自分たちでするいわゆる「セルフサービス」方式である。

 メリットはいくつもある。

1 配り忘れがない。

 「僕のおかずがありません。」というような苦情はほとんど出なくなる。またグループで一人分だけ忘れることがごくまれにあるが、気づいたら取りに行けばいいだけである。

2 全員が動く。

 グループの中で誰がどれを取りに行くのか、担当を決めさせる。それぞれが同時進行で動くから早く終わるのだ。
 担当の決め方はアバウトにしているのだが、時々人任せの子どもが出てくるが、それについては指導を入れる。
 給食に限らず、こうした細かい動きは自分から言い出して仕事をすることと伝えてある。
 こんな小さな仕事を少しずつサボって人に任せていると信用をなくすこと、心の貯金(別途参照)なども話をしている。
 それでも意図的なのか、忘れているか、協力しない子どもが時折いる。

 いただきますの前に、確認することがある。
「全員起立、・・・今からいう仕事をしてくれた人は座ります。」
「パン」・・・各グループでパンを配ったことが座る。
「牛乳」・・・以下、同じように順々に座る。

 すると、ずっと立ったままの子どもが数名残ることがある。次からは仕事をするようにと伝えて、終わりである。こんなところで立たされるのが恥ずかしいことだというのは、学級全体の中で共有された意識だったので、これで十分である。

3 動線を作る。

 全員が動くので、流れが乱れると子ども同士でぶつかったりする。おかずを配る配膳台は教室の前方に置き、並ぶ人はこのラインで並ぶようにすると決めたり、セルフで取りに行くパン屋牛乳は教室の後方においておかずと干渉しないよういなどと考えおけば、後は動線が決まっていくので、それに合わせて微修正して、学級全体の流れを決める。

 教室という空間は、子どもの人数に対して狭い。高学年なら、なおのこと狭く感じる。
 「動線」という考え方を子どもたちに教えておき、必要に応じて実際にさせていくと、日常生活でも動きにムダがなくなる。動線が明確だとトラブルも減る。

給食指導ラインナップ
 給食指導 コンセプト設定 
 給食指導 時短から始める
 給食指導 時短の思想を学ぶ
 給食指導 配膳のコツ
 給食指導 セルフサービスの意味
 給食指導 おかずをつぎ切る
 給食指導 完食よりマナー
 給食指導 食べ方基礎知識
 給食指導 食べ方の指導(高学年)
 給食指導 食べ方の指導(低学年)
 給食指導 おかわりの指導
 給食指導 微細だが重要な食事の指導
 給食指導 知的に指導する
 給食指導 後片付けその他
 給食指導 給食週間と完食指導

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