算数指導4一桁の加減乗除その4

一桁の加減乗除 その4

 実施の様子

 実際にやらせてみると分かるのだが、高学年でも間に合わない子どもやミスをする子どもはかなりいる。自分たちも結果に驚く。

 これは「慣れ」の問題もある。数回実施すると慣れた子どもたちから次々と合格していく。

 また高学年ほどに上達の速さは上がってくる。低学年のうちは、回数を重ねてもそれほど大きな向上は見られないが、高学年は回を重ねるごとにタイムを縮め、正答率を上げていくことが多い。これは子どもたちにも自信になる。

 おそらく、それまでの経験の絶対量の差であろうと推察する。

 低学年はまだ計算の経験そのものが少ない。これに対して高学年になるほど、算数の授業だけでなく日常生活においても計算をする経験は飛躍的に増える。その経験を「一桁の加減乗除」というプリントの中で整理をして出しているということだろう。

 合格しない子どもには大きく二つのパターンがある。

 一つは間に合わない子どもである。

 初めからペースがかなりゆっくりの子どももいる。ゆっくり書く習慣がついている。この場合は、小刻みに時間の経過を伝え、頭の中に浮かんだ数字をすぐに鉛筆で書き表すことを教えなければならない。

 計算そのものが遅い場合は、合格に至らなくてもその都度伸びを評価していくこと。

 

指を使って計算をする子どもがいる。指を使うことをやめさせないこと。むしろはっきりと出して計算した方がいい。隠れてやると間違える。

頭の中に暗記した数字が出てこない場合は、「サクランボ計算」のような手順を頭の中で行っている。これが頭の中だけで行えない場合は、指を使う。子どもたちは他に方法がないから指を使っているのである。これを禁止する教師がいるが、間違いである。

子どもは頭で考えられるようになったら、指は使わない。指しかないから指を使うのだ。決して怠惰なわけではない。頭で計算できるようになれば、その方が速いので指は使わない。だから、指を使うことを大いに奨励し、やがて頭の中で計算、さらには暗唱できるまで、経験をつまませる方が結果的に近道である。

 間に合わない子どもの中には途中で作業が止まっている子どももいる。教師が声をかえるといい。3分ないし5分を維持させていくのも今後のいかなる学習にも必要である。

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