算数指導31「大きな数」

4年 大きな数

 大きな数の学習は、ずっと連続して続いています。4年生の学習がその最終型として、「兆」を扱います。

 今までの学習なら、数の大きさを具体的なイメージで表していましたが、「兆」の桁で具体的なイメージを表すのはほとんど無理です。

「〇〇の〇倍」「〇〇の〇個分」というような例示自体が、大きすぎてイメージがつかめません。

 「兆」の桁まで学習するのは、我が国の記数法が4桁ずつを基本として、「一、十、百、千」を繰り返していくという連続性を教えることに意味があるのです。

 「万」から始まり、「億」「兆」と同じように続いていくこと、そしてその先も「京」「垓」と同じく4桁ずつの固まりとして大きくなっていくことを学習ことが目的です。

 具体的なモノによるイメージというより、思考上の操作に近くなります。

 「億」「兆」まで学習して、その原理を理解すれば「京」や「垓」などさらに大きな数を表す言葉を覚えていなくても、数の仕組みを理解させることができるということです。

 ちなみに西洋では、3桁で区切るのが基本になっています。よく出てくる「,」カンマで3桁区切って数字を表すのは、西洋の読み方では読みやすいからです。おそらくは、算用数字が導入されたときに、一緒に表記法と入ってきたのだろうと推定されますが、日本人にとっては、読みやすいとは言えません。

 つまり、日本語で表記する場合は本来ならば四桁ずつ区切り直せば、読みやすくなるということです。

 

 「兆」を具体的に示す方法として、1例だけ上げると、お金が使えます。

 1億円は1万円札の束が大きなトランクに入るくらいの大きさです。そのトランクの塊を縦に10個、横に10列、高さ10段積んで、1000億円。

・・・と仮に教室にそれを置いたとしてこの辺りから、この辺りまでがお金の束になる、というような話し方をしました。

 さらに、この固まりが10個分で、一兆円となります。教室に大きな1万円札の山ができているイメージです。子どもたちが面白がって聞いてくれました。一万円札の山ですから。

タイトルとURLをコピーしました