算数指導2一桁の加減乗除その2

一桁の加減乗除 その2

 脆弱な一桁の加減乗除の上に、筆算を乗せていっても成果が上がりにくい。

 筆算は一桁の加減乗除を組み合わせて成立している。その組み合わせる手順を間違えると答えは出てこない。

 子どもたちにしてみればだから、組み合わせの手順に思考のエネルギーを使ってしまう。だから「一桁の加減乗除」については、できる限りエネルギーはゼロにしたい。何も考えないで答えが出るくらいの状態にしておかないと、組み合わせることにエネルギーが使えないのである。

 「一桁の加減乗除」にえらく時間がかかるとする。指を使ったりしながら、一つの部分の答えを出す。その時にワーキングメモリが比較的小さい子どもたちは「えーっと、何のためにこの計算をしていたんだっけ。」となる。

 手順(アルゴリズムという)が複雑になるほど、一つ一つのパーツが無駄なく処理されないと全体が混乱するのは、筆算に限ったことではない。

 だから、できる限りアルゴリズム全体に負担をかけないよう、一桁の加減乗除は暗記レベルまでもっていっておくといい。

 筆算が苦手な子どもの原因は次のいずれかに入る。

  • 一桁の加減乗除が苦手
  • アルゴリズムの処理が苦手
  • その両方

むやみやたらにプリントや計算ドリルをやらせても、効果が上がらないのは子どもがつまずいている原因が特定できていないままで(子ども自身も分かっていない)練習をしているからである。

間違える理由が分かっていないままで、練習を繰り返しても、間違いが強化されるだけでむしろ状況はひどくなるばかりである。

子どもたちの意欲もそがれていく。何度やっても上達した感じがしないからである。

 一桁の加減乗除をまず確実にさせていくために、どのような方法で進めるのか。

 以後述べていく。

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