算数指導18コンパスの指導

教育技術シリーズ

3年生 コンパスの指導

 道具の指導の原則は、第一に体験する時間をできる限り多くとること、第二に道具を使うことが楽しいと思える活動をすることである。

 コンパスは使えると楽しい。しかし、慣れるまでは難しい。できる限り時間を保証してやりたいし、使えるようになると自学などでも活用ができる楽しい道具でもある。

 まずはケースから出したら、安全指導を行う。人に刺すなどは論外なこと、自分自身も気を付けることなど話す。

 次に、適度に広げたら、つまんでくるくる回せるかやらせてみる。この時にはまだノートには書かせない。空中で回せるかどうかである。

 そして、ノートを広げ、針を刺し、同じくくるくる回せるかやらせてみる。この時もまだ書かせない。回せるかどうかである。

 そこまで確認したら、実際に一つ書かせてみる。長さは適当でいい。教師はこの瞬間に子どもたちの様子をできるだけ把握すること。くるくる回せるからといって、線がきれいに引けるとは限らない。体をよじらせる子、ノートを回している子などいろいろ出てくる。

 2個目を書かせるときに、コンパスを少し傾けると動かしやすいことを教える。傾けながら円を描くと、鉛筆部分がノートの上をすっと動くようになる。

 2個目が書けたら、3個目以降は自由に書いていいことにする。長さはまだ任意でいい。決めてもいいし、決めなくてもいい。ノートは何ページ使ってもいいし、前の円と重なってもいい。ここから先は「体験」の時間である。

 なるべく時間をとってあげたい。

 そのうちただの円を描くだけでは物足りなくなってくる。そこで、教師が課題を出す。

 初めはドーナツのように同心円を書かせる。半円や四分の一の円を描かせるのも後の布石になる。

 慣れてきたら、教科書の課題などにも出てきているようなデザインに挑戦させてもいい。

 

このころになると、自分で長さを指定しようとする子どもが出始める。そうしたら、教師から長さを指定した課題を出す。両端を合わせないと長さが測れないのが、コンパスの難しいところであるが、どのような持ち方をすればいいのかは自分で体感したうちにやりやすい方法を決めさせればいい。

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