算数指導17目の前で書かせる

4年生「垂直と平行」

 4年生の「垂直と平行」の学習では、三角定規を使って垂線や平行線を書かせる学習内容がある。垂線はまだ書けるのだが、平行線を書かせるのは想像以上に難しい。

 この学習では、唯一と言っていいほどノートの罫線が邪魔になる。罫線を使えば、三角定規を使わなくても平行線は簡単に引くことができる。

 そこで、この単元では印刷用紙を大量に持ち込んで使わせていた。書いた後で、それをノートに貼らせればいい。

 さて平行線の書き方である。一方の三角定規を固定しつつ、それに滑らすようにもう一方の三角定規を動かして作図する。これを全員が本当にできているかを確かめるのが難しいから、子どもにも徹底しないのである。

 市販テストにも「平行線をかきましょう」という問題は出てくるのだが、実は三角定規のスライドの方法でなくても「何となくそれっぽく平行線を書く」ことはできる。反対に、三角定規の使い方はあっているに、手元がずれて平行線になっていない場合もある。

 テストに書かれてある線だけを見ても、方法が正しいのかどうかを見極めることはできないである。

 そこで、一人ずつ教師の前でかかせてみるという方法を採った。

 初めは一斉指導で行う。そのあと、子ども同士で作図の過程を見せ合いながら活動させる。

 そして教師のチェックを受けるのである。

 教師の前に、児童用机いすを二つ用意する。二人ずつ同時進行で見るためである。

 列ごとに来させるなどして順番を決めておく。後ろに2人程度並んで待たせる。一本だけ線の引いてある問題用紙を作成しておく。

 順番が来たら、テスト用に用意した座席に座らせ、平行線を引かせてみる。

教師の目で見て実際に定規を正しく使えていたら合格である。その用紙はノートに貼るように指示をする。時間がかかるようだが、同時に2人なら教師も見ることができるし、多くの子は、さっさとできるので困ることはない。待っている子どもたちは、白紙を渡しておき自由にいろんな平行線を書いていていいことにしていた。

 ちなみに列に並ばせていたのは意味がある。並んでいる間にテストを受けている子どもの作業を見ることができるのだ。それ自体も勉強である。要は書けるようになればいいのだから。かくして、テストもほぼ全員合格となる。

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